南東北の旅 - 13(2012/08/14)

— 業務用冷蔵庫 —

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入口の前で一枚記念撮影。
昔原付の両親とおじいちゃんがここに来た事が有ったようで、その時の写真を思い出しました。

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その時の写真

ちなみに、ここの真上に釜石線の線路が有ったりします。

直後、背後の入口の方から子供の泣き声が。。。
お父さんが少し困った顔をして子供をあやしていました。

どうも、入口から吹き出す風に驚いてしまったようです。
そんな大げさな、と思いつつ入口に近付くと、小さく開いた入口の奥から冷たい風が勢い良く吹き出しています。
それはさながら業務用冷蔵庫の近くにでもいるような感じで、確かに子供にとっては驚異的かもしれません。。。

入場する前に係員からウィンドブレーカーを渡された理由がよく分かります。
半そでで居たら寒さの余りアイスパビリオン状態になってしまうこと請け合いです。

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大人ですら一瞬怯んでしまうほどの強い風に意を決して洞穴へと立ち入っていきます。
入口は中腰にならないと入っていけないくらいの小ささで、腰をかがめて入っていきます。

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暫く中腰でねりねりと進んでいくと、ようやく天井が高い場所に出て、安心して背筋を伸ばしたら、次の瞬間ヘルメットを洞窟の天井にぶつけてしまいました。

頭のてっぺんとヘルメットの位置との差がまだ体になじんでおらず、自分が大丈夫だと思う以上に腰をかがめないとヘルメットが当たってしまいます。。。

足元には狭く深い溝があって、その一番底の部分に水が流れています。
溝の中腹辺りは天井も広く、空間も比較的圧迫感が無いのでそこに足場が通されています。

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洞内には途中途中に八つ墓村の収録に使われた場所や、洞穴サンゴなどの展示が有り、それを見学しながら進んでいくと前を歩くカミさんが突如ニタニタとしながら振り返りました。

その先にあったのは「乳房の岩」なる岩。
壁から唐突に綺麗に並んだ二つの岩がふくよかな形を作っていました。

どうやら原付がそれを持ってニヤけている写真が撮りたかったようです。

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そこは期待に答えねば男が廃る?ということで、期待に応えて見ましたがなぜそこで逆光なのかわが妻よ。。。

洞内は一本道を行って帰ってくる構造になっているらしく、割とちょくちょく人とすれ違います。
その割にすれ違いにはやや厳しいくらいの幅しかないような場所もあって、屈んで避けたり忍者のように壁にへばりついたりと結構忙しいです。

洞内に続々と見学者が入洞してくるので、道が険しい場所なんかだと、途端に渋滞が起こるわけです。。。

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原付の前のグループは足腰の弱った老人を先頭にした5名ほどのグループで、内心、こんな険しい場所に年寄りを連れてくるなよ、と思いましたが、まぁ、もしかしたら後生のお願いであった可能性も捨てきれないので、そこは寛大な心で黙々と後に続くことにしました。

原付たちがそんな感じで詰まっているので、後ろにもあっという間に人の列が繋がり、さながらご来光直前の富士山の9合目のような雰囲気です。
後ろがあまりにも続いていることに気付いて、少し広いところでやり過ごしてくれました。

気が付くと、深い溝だった水路はいつの間にかだいぶ浅くなり、しかも奥の方から水の流れ落ちる音が聞こえるようになりました。

いよいよ終着地点の滝が近いのかと期待に胸を膨らませると、通路の途中に所在無げに小さな滝がありました。

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音の出所は「小滝(女滝)」という滝。
終着地点はまだまだ先のようです。。。

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入口に洞内が700mあると書かれていましたが、これだけ障害物の多い700mは思いがけずハードなのだということを思い知らされます。
入洞したときは冷蔵庫の中にでも入ったかのような寒さでしたが、今となっては立ったり屈んだりを繰り返しているせいで体は至ってぽかぽかです。

奥の方から再び水の流れるような音が聞こえ始めて、暫く進むとついに突き当たりの 「天の岩戸の滝(男滝)」 に到着。

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ご覧のとおり、水流は30mほどの場所から一筋に流れ落ち圧巻です。

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フラッシュなしで撮影をすると滝だけを綺麗に写すことが出来ますが、フラッシュを付けると、回りに飛び散る飛沫が映りこんでしまいます。

実際に立っている場所では、滝が起こす風と一緒に飛び散る飛沫がかかってヘルメットやウィンドブレーカーを濡らしていきます。

何枚か二人で記念撮影をして、戻りのコースに入りました。
既に入洞してから30分以上経ち、帰りも同じくらいの時間がかかることを考えると、その間外でずっと待っている従弟達の事がなんとなく気がかりです。
車の鍵を渡して置けばよかったと気付いた所で後の祭り。。。

そんな訳で、帰りは足早にひたすら前へ前へ。
一箇所、行きの時に混雑してスルーしてした、なかなかに神秘的な場所があったのを思い出し、そこでしばし立ち止まりました。

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「洞窟観音」と呼ばれるその空間には観音様が安置され、さながら祭壇のようになっています。

静かに手を合わせた後は出口へ向けてひたすら歩いたら、20分弱で戻って来れました。
外に出たらさぞかし暑いんだろうな、と若干憂鬱な気分になりましたが、いざ出てみると日差しは強いものの、冷えた体が暖められていくようでむしろ心地よいくらいでした。
ヘルメットやウィンドブレーカーを返却し、長靴を戻したら、丁度土産物屋の方から従弟一家が歩いてきました。

長らく待たせてしまったことを詫びて、何をして待ってたか聞いたら、甥っ子の食事をしてたので丁度良い位だったとのこと。
炎天下でヘバってるのではないかと心配していたので、一安心。

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目の前を流れる川には釣堀が設けられて何人かの人が釣りを楽しんでいましたが、殆ど釣果は無いらしいとのこと。

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目の前の屋台でイワナの塩焼きが売られていたので一つ買って二人で食べました。
軽く疲れた体に塩分が染み渡っていきます。

それにしても滝観洞、1000円の入場料分の価値のある場所でした。

Posted by gen_charly