箱根散歩2013 - 1(2013/03/09)

1月の中ごろに上司から箱根のホテルの優待券をもらったので、せっかくなので行ってみようという話になり、日程を調整したところ、3月の9日と10日の土日に時間がとれました。

ホテルに連絡してみると、まだ空きがあり予約も完了。
箱根にはこれまでに何度も足を運んでいて、主だったスポットはだいたい見尽くしたつもりでいたので、今回は宿泊そのものをメインにしようと思っていたですが、調べてみるとまだ未訪の名所や、以前訪ねているものの久しぶりに再訪してみたいなと思った所などがいくつか見つかり、またカミさんはカミさんでいくつか見どころを調べて来たので、それらを織り交ぜた行程を組んだところ、思いのほか忙しくなってしまい。。。

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箱根周辺の観光地をチェックしていたら、駒ヶ岳の山頂にある箱根元宮にまだ行ったことがないことに気づきました。
それから、箱根のメインスポットたる大涌谷はメインスポットだけに大昔に行ったきりだったので、もう一度散策してみたくなりました。

そこで少し調べてみたら、ちょうど両者を結ぶ登山道がつけられているのを見つけ、最近夫婦で山登りをするのが面白くなってきたのもあって、この登山道を経由して両方を見て回ったら面白いのではないかと考えました。

箱根でトレッキングって今まで考えたこともなかったので面白そうです。

一方カミさんが見つけてきたのは富士屋ホテルのある宮ノ下を中心とした「チェンバレンの散歩道」と銘打たれた散策コースで、趣のある喫茶店でランチをしつつ、遊歩道の散策を楽しみたいという希望です。

原付が考えたトレッキングの話をすると、それはそれで行ってみたいというので、それなら両方めぐってみるか、という話になりました。

— やっぱ朝出るとねぇ。。。 —

いつもだと前日の晩に出発することが多いのですが、たまには車窓からの景色を楽しみたいというカミさんからの要望もあり、今回はそんなにスケジュールが込み入ってないので、夜明けを待って7時に出発。

ところが。。。
やはりというかなんというか、首都高速も東名も大概な渋滞っぷり。

逃げ道がないので仕方なく渋滞の車列に続いてダラダラと進んでいたら、背後から突然ハーレーかなんかのアメリカンバイクが右の車線から近づいてきたかと思うと、停車している原付の車の前を横切って左側へとふらついているような感じで抜けてゆき、なんだか危なっかしい運転する人だなぁ、なんて思っていたら、それから一分もしないうちにカミさんが、

「前の方になんか落ちてるのが見えるんだけど、あれ、もしかして人かなぁ?」

と言い出して、目を凝らしつつ様子を探っていたら、

「あ、やっぱり人が倒れてるよ。今足が動いた!」

運転席側からは前の車の陰になって見えていないのですが、どうも路肩と走行車線にまたがるようにして人が倒れているらしいとのこと。
その少し先にはその人が乗っていたと思われるバイクが横転していて、仲間のライダーらしき人が徐々に集まっているらしいとのこと。

ゆっくりと進んでいくうちに前を走る車がその人をよけるように大きく迂回し始め、徐々に原付の車もその人のところに近づいていくと、そこに倒れている人はさっき乱暴な追い越しをかけてきたバイクのドライバーと同じ人のようにも見えます。

乱暴な運転をして操作をミスったのか、それともどこか不調があってパニック運転みたいになってしまったのか。。。

本人と仲間のバイク以外に停車している車両がないので単独事故だったようですが、まだ事故発生から間もないらしく、警察も救急車も到着していません。

時折力なく手足を動かしているのですが、遠めに流血などをしている様子はなく、意識もあるようなので、脳震盪かなんかを起こしたのかもしれません。
仲間のライダーが動かさない方が良いと判断したのか、ずっとその場に倒れこんだまま放置しているので、渋滞で周りの車のスピードはあまり心配ないとはいえ、体の一部が車道にはみ出したままでは危険なので、仲間が多少交通整理などをして二次被害を防いだ方が良いのではないかという気もしました。

彼女の脇を慎重に通過し、相変わらず続く渋滞をノロノロと進んでいき、小田原厚木道路に入ったところでようやく流れ始めましたが、結局予定より3時間ほど遅れ、箱根湯本に入った段階で昼近くなってしまいました。

カミさんから、この時間だと全部は行けないから行き先を選んだ方がいいんじゃない?と言われ、確かにこのまま両方を見て回る時間はなさそうだったので、暫く検討した結果、チェンバレンの散歩道の散策はまた別の機会に譲ることになりました。

そこで、国道1号をそのまま素通りして、駒ヶ岳へのロープウェーの乗り場がある箱根園へ。
箱根園の駐車場が一日1000円とちょっと割高なのですが、周辺に手ごろな駐車場がないので止むを得ません。。。

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かつて東急(と配下の小田急・箱根登山・伊豆急)と西武(と配下の駿豆=伊豆箱根)が伊豆・箱根の観光開発を巡って争いを繰り広げていたことがありました。
中でも箱根の開発にかかわる一連の騒動は箱根山戦争と揶揄されるほど熾烈を極めたそうです。

そのいきさつは省略しますが、小田原から芦ノ湖畔までの鉄路をメインに据えた小田急に対し、西武は小田原から元箱根や湖尻を経由し、十国峠を経て熱海へと抜けるルートをメインとしていた関係で、鉄道好きでかつバス酔いをしやすかった原付としては鉄道の出番の少ない西武側のコースにはなかなか足が向きませんでした。

箱根ロープウェーで桃源台まで来ると、芦ノ湖の遊覧船で元箱根方面へ進むように誘導され、元箱根からバスで箱根湯本か小田原へ戻る周遊コースをたどることになるのですが、鉄道目当ての原付的には桃源台からそのまま折り返して小田原へと戻るのが定番パターンでした。

それはともかく、芦ノ湖畔に位置する箱根園へは桃源台から遊覧船に乗ると素通りとなるため、バスに乗る必要があるのですが、そのバスの本数は客の流出を防止するためわざと少なく設定されていました。

そのせいで箱根園や駒ケ岳は原付の行動パターンからしてアクセスしづらく、今まで箱根には何度も訪れているにもかかわらず、まだ一度も来たことがない場所でした。

— 箱根元宮 —

ここ数日気温が高い日が続いていて、平地では汗ばむこともあったくらいだったので、防寒対策はあまり神経質になる必要はないと思っていたのですが、万が一のことを考えてダウンジャケット、帽子、マフラー、軍手、雨具はリュックに仕込んでおくことに。

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準備を済ませて駐車場からすぐのところに見えるロープウェーの箱根園駅へ。
往復でチケットを買うと改札の先で記念撮影をして貰えるようなのですが、原付たちは大涌谷へ抜けるので、片道切符です。

切符売り場でその旨を伝えると、

「大涌谷への道のりは神山経由で2時間から2時間半となっています。またよく整備された歩道ではなく雪もまだ残っているので、十分ご注意してください。」

とのアドバイスを受けました。
まぁ、雪といっても所々に残っている程度だろう、と楽観的に考えていたのですが。。。

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ほどなくロープウェーの出発時間となり、割と大柄なゴンドラにいそいそと乗り込みます。

ロープウェーは箱根園駅から駒ヶ岳山頂駅まで1.8キロの道のりだそうです。
1.8キロあるので乗車時間も7分と結構長めです。

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高度を稼いでいくにしたがって、徐々に離れていく芦ノ湖の湖面と外輪山の山々、その向こうには富士山の姿も見えるのですが、季節がらやや霞がかった感じなのが残念なところ。

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このページで通ったルートのGPSログ

頂上駅に到着しゴンドラを降りると、吹き抜ける風が思いのほか冷く、しかも割と強く吹いていて、慌ててダウンジャケットを着込みました。

楽観的に考えて防寒装備を置いてきていたら、早々に取りに戻るハメになっていたところでした。

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頂上からは箱根火山のカルデラ湖である芦ノ湖が外輪山の内側に内輪山を囲むように水を湛えているのが見て取れます。

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駅の建物を出るとハコネザサが生い茂る小高い丘の上に箱根元宮(はこねもとみや)が見えます。
箱根元宮はその名の通り、芦ノ湖畔に立つ箱根神社の元宮です。

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参道の途中には、馬降石(ばこうせき)と呼ばれる石があります。
神様が白馬に乗って降臨された石といわれているそうで、石の上のくぼみにたまった水はどんな日照りでも枯れることがない、と書かれているのですが、石のどの辺に水がたまっているのか見つけられませんでした。。。

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登山前のウォーミングアップとばかりに丘に取り付けられた階段を上ると本堂です。
旅の安全を祈願。

この奥宮は西武の堤さんが寄進して建立されたものとのこと。

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本堂の背後のちょっとした展望台状の場所から富士山がきれいに見えました。

— マッディ・マッディ —

いよいよ神山経由大涌谷へのトレッキングのスタートです。

今回は前回の反省をもとにちゃんとストック持参です。
これがこの先大いに役立つことになるとはこの時点では思いもよらず。。。

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一旦ロープウェーの駅の方に戻り、分岐を右に曲がるとその先に登山道の踏み跡が伸びています。

踏み跡の向こうから来た中年夫婦の靴が泥だらけです。。。
雪の残っているところもあるという話だから、多少ぬかるんでるんだろうなぁ、ぐらいに思いつつ出発。

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今回のコースは標高1327mの駒ヶ岳から一旦尾根を下り、その隣にある箱根火山の中で一番標高の高い1437mの神山の頂上を経由して大涌谷へと降りていくコースです。

高低差もそれほどでもなさそうだということで、足回りについてはトレッキングブーツではなく通気性の良いトレイルランのシューズを履いてきたので、水濡れには非常に弱いのですが、よりによって歩き始めて100mも行かないうちにぬかるみ始めるとは。。。

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若干先が思いやられる気がするのですが、諦めるにはまだ早すぎます。
ストックと路傍の乾いた土の部分を選んでうまくかわしながら進んでいくとすぐに残雪の残るエリアに変わりました。
雪は今のところ、程よく踏みしめられていつつも完全に凍結しているほどでもないといった感じで、ぬかるみエリアよりはむしろ幾分歩きやすいくらいです。

それからぬかるみエリアと残雪エリアを交互に繰り返すような道が続き、一歩ごとにストックでぬかるみに突き刺して足場の程度を確認しながら進まざるをえなかったため、進行はかなり牛歩状態となりました。

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しかも、ぬかるんでいる場所の両側はまるでつい最近誰かが撒いたかのようなサラサラな赤土で、そこに足を落としてしまうと一気にぬかるみの方に崩れて足を取られてしまい、足場の悪さに輪をかけてきます。

そのサラサラな土の正体は赤土、つまり火山灰です。
箱根が火山なんだなぁ、とこんなところでも実感することになります。

上の写真のように丸太で土止めをしている場所が何箇所かあったのですが、土止めの周囲の土は流れてしまって丸太が浮き上がっている場所もあり、斜面が崩れるスピードはかなり速いようです。

勇気ある撤退をするか、もう少し行けるところまで行くか悩みながら進んでいくうちに下山者とすれ違いました。
軽く挨拶を交わすと、その下山者は原付たちの足元を見て、

「あー、その靴じゃこの先厳しいと思うよ。」

と言い残して去って行ったので、ますますこのまま進むべきか不安になってきました。。。

しばし考えた結果、ここまで足場を選びながら靴を汚すことなくどうにか進めているので、最悪汚れることを気にしなければいつでも撤退は可能であろうと判断し、もう少し進んでみることに。

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慎重に慎重を期してゆっくりと進んではいるものの、不意に足を取られてぬかるみに靴底を落としてしまうと、その濡れた靴底に例の赤土がコロッケの衣をつけるかのごとくまとわりついてきて、どうしても靴底が泥だらけになってしまいます。

雪解け水だけに水温は冷たく、水が染み込んできたら即アウトなのですが、今のところそういった事態には至らずに歩けているのがせめてもの救いです。

それから暫くして老婆とすれ違ったのですが、見た目からは想像できない身軽さでひょいひょいと登山道の向こうへ消えて行ってしまいました。
白長靴姿のその恰好はまるで近所へノラ仕事にでも行くような気軽さで、ハイカーのそれには全く見えなかったのですが、当然周囲に畑なんかがあるわけでもなく、なんだか狐にでも化かされたような気分です。。。

それを見て打ちひしがれた訳ではありませんが、ここでちょっと小休止。
水分と小さいアンパンを一つ補給することに。

Posted by gen_charly