箱根散歩2013 - 3(2013/03/09)
— 延命地蔵と延命玉子 —
一歩を大きくまたいで、縦走完了です。
距離もコースの規模も通常時ならさほど厳しくないコースでしたが、スリリングな場所が散在していた関係で、ここまで4時間弱かかりました。
登山道を進んでいる最中はぬかるみや雪道が続いて遭難しやしないかという不安がずっと付きまとい、しかも景色があまり優れなかったのであまり楽しめなかったのですが、こうして無事に到着してみると、程よい達成感が心地よいなかなかのコースだったようにも思えるので不思議なものです。
というか、宮ノ下のチェンバレンの散歩道も90分程度のコースということらしいので、欲張っていたら途中で体力が尽きてしまったかもしれません。
そういう意味では散歩道の方が中止になって結果的によかったことになります。
登山道への入り口の門の傍らには延命地蔵尊が祭られています。
その脇に神泉の湯という温泉の湧き水と浄め湯かけ地蔵があります。
せっかくなので温泉をかけてから延命地蔵尊へもお参りして行路の無事を報告。
さて、大涌谷といえば黒玉子ですね。
二人とも昔食べたことがあるのですが、久々なので食べたいという話になりました。
すぐそこの売店でも手に入るのですが、どうせ食べるなら玉子茶屋で茹でたてを食べる方が風情がありそうな気がしたので、さっきおぼろげに見えていたあの場所までもうひと頑張り。
軽い登りの順路をバスツアーの観光客に混じって登っていきます。
二人ともストックを片手にリュックを背負って、泥だらけの靴といういでたちなので、ヒールにミニスカートといった完全に正しい観光客スタイルからするとかなり浮いた感じでもあったのですが、山を征服してきた達成感でむしろ誇らしげです。
っていうか外人多いなー。
茶屋の前には人だかりができていて、買うのに時間がかかるかなと思ったのですが、思いのほかすぐに入手できました。
黒玉子。
温泉の硫黄成分が反応して硫化鉄になり、玉子の殻の色を変色させてしまうのだとか。
温泉水に含まれている成分のせいか、わずかに塩気があって、添付の塩を振らなくてもそのままで食べられます。
一個食べると7年寿命が延びるということで、まずは7年分。
玉子は5個入りなので、欲張ると35年長生きする事になるのですが、板東さんじゃあるまいしそんなにいっぺんには食べられません。
しかも今晩のホテル夕食はバイキングなので、ここはひとまずセーブ。
残りは後日食べることに。
というか、ちょっとのんびりしすぎたようで、少し急がないと間に合わなくなりそうな時間帯になってきました。
いそいそとロープウェーの大涌谷駅へと向かい、桃源台までのチケットを購入すると、おまけで使い捨てカイロを付けてくれました。
ロープウェーに乗る時間は15分ほど。
途中、姥子駅を経由して桃源台駅に到着。
— ミステリーバス —
さて、ここから車が置かれている箱根園まで戻らなければならないのですが、前述のとおり桃源台駅付近は小田急のテリトリーなので、直接箱根園へ連れて行ってくれるバスはほとんど走っていません。
が、実はここからわずか500mばかり南下したところに、西武のテリトリーである湖尻という場所があり、そこまで歩けば比較的頻繁にバスが出ています。
で、てくてく歩いてすぐに到着。
時計を見ると17時を5分ほど回ったところです。
バスの時間を見ると。。。
出て行った直後やんけ!
しかも次の便は45分後。。。
これでは事前に伝えていたチェックインの時間には確実に間に合いません。。。
時間をつぶすにも周囲には、バス停脇のレストハウスくらいしかなくなんだかじれったくなってきそうだったので、ためしに携帯の地図で駐車場までの距離を測ってみると目測3キロちょっとくらい。
場合によったら歩いて行ってもバスより早く到着しそうです。
ちょっと疲れているのもあってちょっと悩んだのですが、ここで待っていても暇なので、結局歩いて行ってみることにしました。
ホテルに遅れる旨の連絡を入れて、それから道中の力水、ではありませんが缶コーヒーでも飲んで景気づけようと自販機の前に立った時、後ろからディーゼルのエンジン音が聞こえました。
何の気なしに振り返ると、近づいてきているのは伊豆箱根バスで、行き先に「箱根園」と書かれています。
あれ?この時間にバスが来るなんてどこにも書いてなかったぞ!?
バスは、レストハウス前に一瞬止まって、そのまますぐに出発しようとしたので、慌てて駆け寄ってバスを止めて、念のため運転手に箱根園に行きますか?と聞くと、行きますよ、というので、カミさんを呼び寄せて飛び乗りました。
それからすぐにドアが閉まってバスが出発しました。
なんだかよく分からないけどバスに乗れてしまいました。。。
時刻表にはなかったはずだけどなぁ、と思って、上の時刻表の写真をもう一度見直してみたのですが、やはりこの時間にバスはありません。
もしかしてお化けバスみたいにどっか知らないところへ連れて行かれてしまうのか、まぁこの際知らない場所に連れて行かれちゃうのもまた一興かな、みたいな不安感を楽しみつつ、15分ほど乗っていると、無事箱根園に到着。
しかし、うっかり歩き始めてなくてよかったー。。。
おかげで遅れはかなり取り戻すことが出来たので、車を出して先を急ぎます。
— Stomach Breaker —
今回の宿となるホテルは、富士箱根ランドの別館となる、 スコーレプラザホテルです。
箱根園からは20分くらいで到着。
このホテルについては、予約前にネットの口コミなどを調べていたのですが、概ね“古いけど親切丁寧" という評価で、覚悟を決めてやってきたのですが、こうやって見ると別館はいうほどでもないような気がします。
妙に傾斜のあるところに建てられているので、目が変な錯覚を起こします。
この別館は建物の両側に部屋が並んでいて、上の写真の面からは正面に富士山を見渡せる絶好のロケーションとのことでしたが、チェックインして案内された部屋は残念ながら反対側。
優待券にも部屋指定が出来ないと書かれていたので、まぁ、仕方がありません。
部屋は一般的なビジネスホテルなどのツインルームよりは若干広めで、一方リゾートホテルのそれよりは若干小さいといった感じのサイズ。
窓の外は残念ながら山の斜面と空しか見えないのですが、大きなガラスに飾られた前衛的な絵画だと思えばこれはこれで趣を感じます。
チェックイン時に夕食の時間を19時半からと指定され、まだ一時間ちょっとあったので、まずは風呂に入って汗を流すことに。
浴室は7Fと8Fにあって7Fが男、8Fが女という区分けになっていました。
男女は日替わりで交代しているそうで、明日は8Fが男風呂になるということなので、明日の朝風呂も楽しみです。
脱衣所は広く簡単なフィットネス器具も置かれていて、浴室は大きい湯船が一つとサウナという組み合わせ。
窓から富士山を一望できることが売りの展望風呂ということでしたが、夕方なので富士山のシルエットがかろうじて見えたくらいでしたが、今日はすでに何度も見ているので良しとしましょう。
お湯は熱くもなくぬるくもなく程よい湯加減で、すこし長めに入ってしっかり温まりました。
それから夕食の時間。
夕食はバイキングということで、食堂に並んだ各種の料理を少しずつ取り分けて机に並べます。
ここのバイキングはカニの食べ放題がウリなのですが、まぁ、味は推して知るべしといった所。
そのほかのメニューについても種類はかなり豊富なものの、味は可もなく不可もなくといった所で、いろんな意味で期待を裏切らない食事でした。
でも貧乏性の原付はだいぶ無理して詰め込んでしまい、部屋に戻ったら腹痛を起こしてしまいました。
食後は腹ごなしに泥だらけになった靴を洗おうと思っていたのですが、身動きもままならぬほど満腹だったので、結局カミさんお願いして、ベッドで暫く撃沈してました。
暫くしてようやく胃が落ち着いてきたので、鼻炎の薬を飲んで荷物の整理などしていたら、今度は鼻炎薬が効いてきたようで、急激に眠気を感じ始めました。
せっかく来たのに勿体ないなぁ、と思わなくもなかったのですが、結局ほどなく眠ってしまいました。