瀬戸内周遊初日の出【33】(2014/01/04)
ツルの湯には30分ほどで到着。
峠を越えてほどないところにその温泉はあり、周辺には何もなく寂しい場所だ。
建物はまだ真新しく清潔な感じだが、周囲は資材置き場があったりしてなんだか殺伐としている。
後で調べてみたら、どうも土木会社が自社の敷地で温泉を掘り当てたものだそうで、本業でも使っている土地なので、雑然としているのも道理。
料金は500円。3人入ればいっぱいになるくらいの小ぢんまりとした内湯が一つだけだが、源泉かけ流しを謳っており、確かにお湯の感触はまろやかで、体が暖まりそうな感じがする。
案外利用者が多く、ひっきりなしに人が出入りするので、湯舟は常に満員である。
湯舟の脇に外に出られるドアが付いている。露天風呂があるのかと開けてみたら、そこは露天風呂ではなくちょっとした庭だった。
女湯側に細い竹で組まれた仕切りがあるのだが、細竹に微妙に隙間があり、仕切りの向こうがわずかに透けて見える。壁の向こうに誰かが来ると、シルエットが動くのが分かってしまう。仕切りに顔を近づけたら向こう側が見れそうだ。
もっとも、他の入浴客の目が届く場所なので、そんなことしたら人生辞めることになってしまうw
露天風呂もないし、ここにいても生殺しなのでほどほどに内湯に戻った。
や、見ないほうが精神衛生上よかった気もする、たぶんw
湯船に浸かっていると、店の従業員が頻繁に湯温を測りに来る。温度調整にこだわりがあるのか。
ところで、この温泉をネットで調べていると、「天然温泉 ツルの湯」と「薬石湯 嵐の湯」という2種類名前があって、どちらも同じ場所を指しているので、どういうことなんだろうと思ったのだが、建物内に蒸し風呂が併設されているらしく、そちらが嵐の湯というのだそうだ。別途料金がかかるので行かなかったが。
さて、これから夜通しで帰路を急ぐわけだが、いくら何でも途中で力尽きそうな気がするので、静かで落ち着いているのをいいことで、駐車場で少し仮眠をとらせてもらう事にした。
カミさんに2時間と伝え、車の寝床に転がる。次の瞬間カミさんがドアをノックする音に起こされる。
自分が寝ている間、カミさんが暇しているのではないかと少し心配だったが、お風呂を心行くまで堪能し、余った時間もテレビを見ていたので退屈ではなかったとのこと。
西宮や吹田の辺りが混んでいるようなので、時間調整を兼ねて暫く一般道を進む。姫路に入ったあたりで渋滞が解消されたようだったので、最後の給油をして高速に乗る。
その先は順調に名古屋まで来れた。ところが岡崎から先12km渋滞の表示。夜中も2時を回ろうとしているのに12キロって何してるの!?
ここは迂回ルートがないので、待つしかない。だから混んでいるわけだが。。。
この辺りは東名と伊勢湾岸が合流するので混雑しやすいところだ。とはいえ、ゆくゆく新東名が伊勢湾岸に繋がると分散されると踏んでいるのか、抜本的な対策は考えていないようで、暫定的に路肩を削って3車線化しているのだが、路肩がないから60km/h制限になっている。
なんだか、禅問答をしているよう気持ちになるのは何だろう?
新東名を抜け御殿場を過ぎ、後もう少しで東京だ!という所で急に眠気。
飲み物を飲んだり、音楽をかけたり、お菓子をつまんだりで気を紛らわすが、それもほどなく限界。
旅行後に見たタモリ倶楽部で、タモリが「どうしても眠くて仕方がないときは、エッチなことを考えると意外と乗り切れる」と言っていたが、それを先に知っていれば。。。w
とはいえ、上まぶたを降ろさないなら、下まぶたが迎えに行ってやると言わんばかりの眠さで、もう限界。。。と思ったら海老名サービスエリアが見えてきた。かみさまー。
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そんなこんなで6泊7日の長旅を終えた。
今回の瀬戸内一周の旅は今まで以上に行き当たりばったりを楽しむ旅となった。
まぁ、行きたいところは概ね行けたのが良かった。
また、淡路島、大毛島、屋代島、沖神室島、大久野島、岩黒島、櫃石島、与島と多くの島を訪ねることができたのも大きな収穫である。
今回の気づきは、小さな島でも歩くとそれなりに時間が必要になるということだ。気軽に再訪できない島で見残しをしてしまったのが残念なところ。次回は折りたたみ自転車でも持っていくか。
以前は、観光スポットを事前に調べてそこ目指して歩くという旅のスタイルだったが、ここ最近、あてどなく街をぶらついて、興味を持ったら深入りするというスタイルに楽しさを感じるようになってきた。今回の旅でもその傾向が少し出ていたように思う。いい日旅立ち、である。
今後そういう旅の仕方が増えて行くかも。
(おわり)