渡良瀬のトロッコと鉱山見学【4】(2021/07/23)
ということで、草木湖の湖畔まで降りてきた。目の前には見渡す限りの湖面が広がっている。
水はある程度透き通っている感じだが、清流と言えるほどでもない。魚影を探すが見当たらなかった。ここはダム湖で水位が年中変化するから魚が定着しないのかもしれない。
それでも持ってきた網で一頻り水面を掬って何かいないか調べてみる。が、小魚が一匹入っただけで何も見つからない。
しかしきれいな景色である。子供の頃、夏休みに岩手の山の中を駆けずり回っていた時も、こんな景色を見ていた気がする。
なんという名前の蝶だろうか。きれいな羽根の蝶がつがいで追いかけっこをしていた。
それをチビが一生懸命網で捕まえようとするが、蝶の方が一枚上手だった。
水辺で戯れていると、ウチらが歩いてきた遊歩道をさっきの人が下りてきて、周辺のことについて説明してくれた。
向こうに見える草原は秋口には水の下に沈むそうだ。春先になると水位が下がって再び地上に顔を出すが、それからわずか数か月でこれだけの草原になるのだという。時としてクマやシカなどが下りてくることもあるらしい。
インストラクター氏は、仕事のためにこの地に越してきたそうだ。夏は涼しく、冬はそれほど雪深くないので、案外快適に過ごせるとのこと。
カヌー体験はチビくらいの子供でも参加できるらしい。参加者の体力見合いで漕ぐ範囲を決めているそうで、条件が整えば結構遠いところまで漕いでいくこともあるのだとか。
ちなみに、先ほど氏を困惑させたカヌーの予約客はキャンセルだったとのこと。そのことが事務所から伝わってなかったので、知らずに来てしまったという経緯だったらしい。
ふと「かき氷、食べていきますか?」と聞かれた。
カヌー体験の参加者に最後にかき氷をふるまうサービスをやっているのだが、キャンセルになってしまったので、もったいないからよかったら、ということらしい。
それは嬉しい。遠慮なくいただくことにした。
折からの日差しで気温もぐんぐん上昇して、のどが渇いていたところだったので渡りに船。チビも思いがけないかき氷イベントにワクワクだ。
さっきの東屋まで戻ると、ケースの中からおもむろにかき氷器を出してきて、ガリガリ削り始めた。
できたてのかき氷をいただく。頭の真ん中らへんにかすかな痛み。それもまた風情。火照った体がクールダウンしていく。棚ボタ最高!
かき氷を食べつつ、まったりした時間を過ごすうち、そろそろ駅に移動する時間になってきた。
お礼を言ってその人と別れた。
ちなみに後でネットでチェックしてみたら6000円くらいで体験できるそうだ。前回奄美で乗ったのは既に15年近く前だ。
あの頃と同じ体力があるか分からないが、久しぶりに乗ってみたい気もする。
ここに来るまでに捕まえた虫たちも途中でリリース。
車に戻って、神戸駅に向けて出発。そのまま湖に沿って南下。
道すがら、樹林のはざまから時折湖面が見えるのだが、ふと盛大な水柱が上がっているのが見えた。
ところが、直後に樹林に隠れてしまって、再び樹林が切れる場所から眺めたら見えなくなってしまった。
途中「草木湖展望台」と看板が出ている場所があった。
東屋と展望台がある一角だ。東屋の中にはなぜか薄汚れた巨大なぬいぐるみが置かれていた。
夜中に来たらビビる気がするw来ないけど。
この展望台からダムの堤体方向が見晴らせる。
が、ここから見ても水柱の気配がなかった。何かの見間違いだったのだろうか。
見るべきところもなくさらに進む。
堤体の脇にダム管理事務所の建物がある。ちょっと立ち寄り。
ダムといえばダムカード。ここでもゲットできるかと中を覗いてみるが、自動ドアが開かない。
人の気配もなさそうだったので、諦めて戻ろうとしたら、丁度やってきた車に乗っていた人から、「ダムカードですか?」と聞かれた。
なんというグッドタイミング。
その人がドアを開けてくれて無事ゲットできた。
台紙に件の星野富弘さんの作品が印刷されていた。
折角なのでその足で堤体の上も少し散策。
堤体から湖を眺めて、水柱(=噴水)が噴き出していただろう場所は何となくアタリが付いた。が、今は静かな湖面に戻っている。
堤体から神戸駅まではすぐ。駅の脇の駐車場に車を停める。
駅舎はかなりクラシカルな趣である。映画の撮影などでも使えそうだ。
列車の到着までまだ30分あまりあるが、既に人が集まり始めている。
座席券は事前に手配したが、乗車券は別途買い求める必要があるので、駅の券売機で購入。
山間の鄙びた駅だが、わたらせ渓谷鉄道の主要駅となっており、駅員以外にもグッズ販売で駆り出された職員などもいて賑やかだ。
軒先できゅうりの漬物を売っているスタッフがいる。
カミさんはそのきゅうりをしげしげと眺めて品定め。スタッフの声も高らかになるが、そのままその場を立ち去る。言われるがままにすぐに買わないのがカミさんのマイルールらしい。
反対側のホームには、東武鉄道の昔のロマンスカーの車体が置かれている。先頭車両ではないので、写真の撮り甲斐はあまりないが、だいぶ昔の車両であるにもかかわらず、きれいに維持されている。
すぐ脇に売店があり、そこで注文した料理や軽食を食べるスペースとして、車両が開放されている。
店舗として営業中の車両だけに、中はきれいに使われている。
手すきの時間にチケットの写真を撮っておいた。ローソンで入手したチケットなので、どこかのコンサートのチケットみたいだ。
写真を撮って戻ると、カミさんが件のきゅうりの漬物をかじっていた。なんだ、買ったのかよw
どうせ買うなら勿体ぶらなきゃいいのに。
そうこうするうちに列車が到着したので乗り込む。