鳥取ドライブ【9】(2022/08/15)

2022/08/15

車内はやや蒸し暑かったが、踊りの疲れと、扇風機のおかげでそれなりに眠れた。
7時過ぎに起床。起床してすぐ湿ったシュラフを車の上に広げて天日干し、と言うほど晴れてもいないが。。。

PAは閑散としていて、人目は気にならなかったが、それでも時折通り過ぎる車のドライバが大抵こちらを見ている。まぁ、何やってるんだろう?と思われてもしょうがない。。。

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チビは今日も宿題。クーラーボックスが学習机だ。
・・・なんかちょっとかわいそうな気もする。本人は気にしていないようだが。

宿題が終わったら出発。まずは琵琶湖を目指す。

琵琶湖には島が3つ浮かんでいる。その3つは沖島、多景島(たけしま)、竹生島(ちくぶじま)という。沖島は湖に浮かぶ島としては日本で唯一定住者のいる島である。
それ以外の2つはお寺や神社があるのみの島だが、遊覧船が就航していて上陸することも可能。

湖上の島に住む人々の暮らしぶりと言うのはとても興味深く、以前から一度訪ねてみたいと思っていたのだが、なかなか機会に恵まれなかった。
特に有人島である沖島に上陸してみたい思いは強かったが、琵琶湖の中南部に位置しており、米原から北陸道を北上しようと考えている我々からすると逆方向となってしまい、ちょっと足を伸ばしづらい。と言うことで沖島は見送ることにしたが、折角ここまで来たのだから、どれかの島には上陸してみたい。

と言うことで、彦根から観光船に乗って行ける竹生島を目指してみることにした。
多景島を選ばなかったのは、島へ渡る船が一日一便しかなく時間が合わなかったからだ。極小さな島なのでゆっくり見るような場面もないかな、と思ったからと言うのもあるが。

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10時少し前に、彦根の観光船乗り場に到着。
港は遠目で見ると海にあるそれと何ら違わないのだが、足元を満たす水に波がほとんどなく、淡水であることがわかる。

船を運行している会社はオーミマリンという。ここは湖だが大丈夫だろうか。大丈夫だろうか、と言われても困ると思うが。

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チケット売り場で乗船券を購入。大人3000円、子供1500円で、シメて7500円。3時間ばかりのクルーズと思うとなかなかグッとくる値段だが、これに乗船しない事にはたどり着けない島なので仕方なし。勢いが大事。

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待合室で待っていると、10時出港の船の乗船が開始された。

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船に乗り込みデッキで出港を待つ。やがて船内スピーカーから船と島についての解説が一通りなされ、ご当地ソングが流れだしたら出港した。

ちょっと予想外だったのは、船の乗船時間が40分もあること。てっきり15分くらいで着くものだとばかり思っていた。それだけ島の滞在時間が短くなる。物足りなくならないだろうか。。。
まぁ、出ちまったんだから仕方ない。改めて地図で見たら、竹生島は琵琶湖のほぼ北岸に近い所にある。中央付近にある彦根からはだいぶ遠い。

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往復の時間を考えたら足を伸ばして沖島に行っても変わらなかったか。。。

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天気はまずまずと言ったところだが、薄雲が空を覆っていてなんとなくどんよりしている。雨の心配はしなくて良さそうだが、もやがかかって景色はパッとしない。

一応、はるか遠くに対岸があるさまは見える。でもその向こうは殆ど見えない。
ただ、その遠い対岸の姿を見るだけでも、とにかく広大な湖であることは分かる。当然、日本で対岸がこれだけ遠い内水域と言うのはないので、それだけで日本一の場所にいる実感が湧いてくる。

琵琶湖は言わずと知れた日本最大の湖である。実に滋賀県の面積の6分の1を占めているという。だが、6分の1という数字は意外に小さく感じる。パーセントで言えば15パーセント強に過ぎない。地図で見ると半分近くを占めているようにも見えるが、案外その程度なんだな。
と、同時に世界有数の古代湖でもあるらしい。その発祥はなんと440万年前まで遡るとされている。とはいっても最初の頃は今の場所ではなく伊賀のあたりにあったそうだ。それが地面の隆起などの活動により徐々に北西へと移動し、現在の場所に落ち着いたのだそうだ。

今のところ活動は落ち着いているので、更にどこかに移動していく、と言うことはないそうだ。

薄日だが陽射しが入るので、気温はぐんぐん上昇している。じっとしていると汗ばむほどだが、湖面に吹く風に当たっているとなかなか心地よい。
が、カミさんとチビは暑さに耐えかねて涼しい船室に移動するそうだ。もちろん自分はここに居残り。

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しかしなんだろ、この感じ。どこかで見たことがあるような光景だな。。。と思ったら、一昔前の(当時としてはリアルな)水面を描写したポリゴンCGだ。

テクスチャの一つ一つはリアルに再現されているんだけど、全体的には現実感がない感じ、と言えば伝わるだろうか。
もちろん、目の前の湖水はリアルそのものなんだけど、なんとなく作り物っぽい感じがする。
波が立たず、空気が靄がかっているので、平板に見えるからだろうか。

もっとも、実際には船が盛大に水面を蹴りながら進んでいるので、そんなに静を感じるような風景でもないのだが。

それまで竹生島へ向け、ひたすらまっすぐ進んでいた船が、わずかに西寄りに進路を変えた。何かをかわす感じで方向転換して、その後再び元の進路に復帰。進路をずらした時、視界の先に赤黒い破片のようなものが浮遊しているのが見えた。

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近づくにつれ、それがなんであるか分かった。漂流物だ。木などの漂流物が帯状になって湖面に漂っていて、船はそれを避けるために進路を変えたようだ。

この漂流物は恐らくつい先日この辺りを襲った豪雨によるものだろう。冒頭に東北方面で豪雨災害が出たことを書いたが、その前線の反対端は福井辺りにかかって、福井から滋賀にかけてのエリアにも大雨をもたらした。その大雨により周辺の河川が氾濫したらしく、川を流れ下った流木などが、琵琶湖に流れ込んで漂っているらしい。
こんなところまで影響を及ぼしているとは思わなかった。

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やがて、視界の先に島影が見えてくる。竹生島だ。

Posted by gen_charly