大阪出張2009【3】(2009/04/12)

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こちらは前ページのキハ101と雰囲気の似たデザインの車両だが、車体が一回り大きい。形式はキハユニ51という。
キハユニは、キハはまぁいいとして、ユが郵便室を備えたもの、ニが荷物室を備えたもの、と言うことである。つまり乗客と郵便と小荷物が乗せられる車両と言うことだ。

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普通の客室の奥に仕切り扉があり、その向こう側は郵便室と荷物室になっている。

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昔は鉄道車両に郵便局員が乗り込んで、ここで郵便物の仕分けを行ったのだそうだ。

面白いのは加悦鉄道ではキハユニ51として活躍したことはないということだ。加悦鉄道にやってきたときに、荷室を撤去して全室普通車(キハ51)に改造されている。廃止後の保存・復元の際に元々あった荷物室と郵便室を復元させてキハユニ51としたそうだ。

 

お次もまたなかなかの珍車を紹介する。

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この車両は形式をキハ08と言う。不愛想な作りだが、加悦鉄道のクラシカルすぎる車両群の中においては一段と近代的なスタイルである。と言ってもレトロの域を出ないが。元々は国鉄の客車だった車両で、北海道でディーゼルカーに改造されたものだ。

当時北海道では動力近代化ということで客車列車をディーゼル車両へ切り替える動きがあった。だが需要に供給が追い付かず、急場しのぎ的に余った客車にエンジンと運転台を取り付ける改造を行った。それがこのキハ08である。
だが旧型客車からの改造だったため車内の設備は見劣りし、車体の重量も重くなるなどデメリットが目立ってしまい、結局増備は続かず数両程度の改造にとどまったという。

 

その中の1両が加悦鉄道にやってきて同線廃止まで活躍した。
そんなレアものな車両が今も現存しているということに驚きを禁じ得ない。

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この車両も車内が公開されている。木製のインテリアはアンティークな趣き。ただし背もたれはただの木の板なので、乗り心地は良くなかったのかもしれない。

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このほか、キハ10形も現存している。他の癖のありすぎる珍車群からすると随分と良識的な印象だが、この車両とて鉄道博物館に収蔵されるほどの貴重な車両である。

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あと、何故か京都市電のN電と呼ばれる日本最初の電車とされるものも展示されている。この車両も明治時代の車両なので非常に貴重なものだが、愛知の明治村では未だに動態保存されているし、何なら奄美大島にも狭軌1形が現存する

そういう意味ではレア度はやや低めだ。

ちなみにこの車両の解説板には「当園貴重な参考資料として、ここに永久に展示するものです。」と設置当時の意気込みが書かれていたが、残念ながら当園は2021年に閉園となってしまった。
車両は大阪府内の霊園が譲受して保存するということで解体は免れているが、容易に訪問できなくなってしまった。

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それと南海電鉄の1201形も保存されている。
こちらは当時はまだ正式に展示されるというところまで至っていなかったのか、敷地の隅の撮影し辛い場所に押し込まれて、屋根にシートがかけられていた。

これだけの貴重な車両群たちを300円の入園料で見られるというのは凄いことである。
閉園となってしまったのはとても残念だが、保存にだってお金がかかるのだからしょうがない。

 

一通り見学したら日が暮れた。レンタカー返却の時間も近づいてきているのでぼちぼち大阪に戻ることに。レンタカーを返却して京都駅に移動。
まだ少し時間があったので、新大阪駅の在来線ホームで撮影会。

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最初は智頭急行のHOT7000系

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北近畿タンゴ鉄道のKTR8000形

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スーパーくろしお381系

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雷鳥481系2000番台

新幹線の時間が近くなったので、この辺で撤収。

Posted by gen_charly