[Spada-01] STEPWGN SPADA

【Spec】

グレード スパーダ24T
型式 CBA-RF7
ナイトホークブラックパール
全長/全幅/全高(mm) 4680/1725/1845
車両重量(kg) 1580
ミッション 5AT
駆動方式 FF
エンジン型式 K24A
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量(cc) 2354
最高出力/回転数(ps/rpm) 162/6000
最大トルク/回転数(kg-m/rpm) 22.4/3600
年式 2004(平成16)年式
購入年 2009(平成21)年
購入時走行 32000km


少し前、スパイクで遠出をした際に帰宅後にヘトヘトになってしまったことがあった。近年、長距離の移動に疲れを感じるようになったり、カーゴスペースを使っての車中泊で疲れが取りきれなかったり、といったことを感じることが増えてきている。歳をとって体力がなくなってきたのかもしれない。

ともかく寝床で快眠できないのをどうにかしたい。車中泊で旅をしつつもっぱらハンドルを握っている自分にとって、睡眠不足のままのドライブは危険をはらむし、なにより旅を楽しむことが出来ない。

いっそ、リアシートを畳んで作り付けの寝台でも設ければもう少し快適になりそうな気もするが、それだと車に2人しか乗れなくなる。我が家ではカミさんのご両親など、たまに後席に人を乗せることもがあるので2人乗り仕様にする訳にもいかない。一戸建てに住んでいればそういう時に寝台を一時的に家屋の方に移動させておくなどの対処も可能だが、我が家は立体駐車場に車を置くマンション暮らしなので、それも難しい。

そういうことにあれこれ悩むなら、いっそもう一回り大きい車にしてしまいたい気もする。室内が広く余裕のあるエンジンを積んだ車なら、そういう細かいことを気にせずにもっと安楽に旅が出来るんじゃないかと思うのだ。大きい車といってもアルファードとかああいうのはいらない。都内で暮らす身にとってデカすぎる車は却って扱いづらいので、5ナンバークラスで充分である。

それで、カミさんの感触を探ろうとそれとはなしに話してみたら、スパイクで充分、と取り付く島もなかった。だめか。

カミさんの実家はマイカー購入する際に新車を現金一括で購入し、買った車は乗り潰す主義である。そういう家に育ったカミさんなので、車の購入や所有についてのスタンスも実家のスタイルを受け継いでいる。

振り返って我が家は現状、新車をキャッシュ一括で購入するほどの懐の余裕はない。さりとて中古車に対するイメージもよくないらしく、誰がどんなふうに乗っていたのかもよく分からないような車を買うことに抵抗があるとのことだ。

つまり、中古車は嫌、新車を買うなら現金で、その金がないなら溜まるまでは今のままでいい、という訳だ。
まぁ、カミさんの言うことももっともである。スパイクは購入して6年しか経っていないし、もちろん普段使いでは何の不満もなく乗れる。それを手放してまで買い替えしなければならないほど差し迫った話か、といわれるとそれほどまで切羽詰まっている訳ではない。なので、議論に発展させてまで切々と現状を訴えるほどの情熱はなかった。

で、それで納得したのか、というとそんなこともない。妄想の範囲で買い替え対象の検討は続けていた。
まず、新車はどのみち無理なので、基本的には中古車が前提となる。それなりに長い期間維持することが求められる筈なので、安かろう悪かろうではダメだ。カミさんがこれなら中古でもいいね、と言えるくらいには程度の良いものである必要がある。
そこを考慮すると5年落ち未満、走行5万キロ未満で、更に車内が綺麗に使われている物というのが最低ラインになろう。

もちろんベーシックグレードなら数が出ていて選択肢が豊富なので、充分ターゲットに入る車も出てくるのだが、あまり装備が貧弱だと乗っていて楽しくない。ある程度装備が充実していて程度が良いものが安く売られていたらそれがベストである。ぜいたくを言えばサンルーフが付いていれば尚良し。

それと、当たり前だが車中泊がしやすい車でないとならない。ここ最近の車はシートの座り心地改善のためにリクライニング機構が改良されて、倒した時に段差ができる車が多くなってしまっている。車中泊の快適さを求める人と比べたら、座席としての座り心地を求める人の方が圧倒的に多い訳だから、そうなってしまうのも仕方ない一面があるのは理解できるのだが、受難の時代である。。。

5ナンバークラスのワンボックスと言えばトヨタのボクシー/ノア、日産のセレナ、ホンダのステップワゴン、あたりとなるが、段差なしに倒せる車種はステップワゴンしかない。ただし2代目のみ。現行型である3代目はシートに段差が出来るようになってしまった。

なんかもう、いきなり銘柄指定レベルまで選択肢が狭まってしまった気がしなくもないがw
と言っても、別にステップワゴンは嫌いな車ではないので条件に当てはまる出物があれば、全然問題なしである。

初代ステップワゴンで採用されていた座面が平らなシートは、フラット化した時によりベッドに近い形状となり、車中泊時の快適さに貢献している。といってもそれ以前のワンボックスは大抵そういう座席だったので、それに従っただけなのだと思うが。

このシートはベッドとして利用する分には非常に快適なのだが、その分乗り心地が犠牲になっていて、おまけにサードシートへのアクセスのために1席が折り畳み式の補助席になっているので実質使えない。こうしたコンベンショナルな設計が後席に乗る人からの不評を買ってしまい、他社のワンボックスへの流出に繋がる結果となってしまった。

そのため、2代目ステップワゴンのセカンドシートには、ベンチシート仕様とバタフライシート仕様という2種類が用意された。ベンチシート仕様はそうしたユーザーの不満を解消するために、他車種並みにシート形状を工夫して座り心地を高めたシートになっていて、後席の乗り心地の改善が図られている。

ただし、その分フラットにした時の寝心地は幾分悪化する。一方でこれまでのフラット座席をステップワゴンの良さとして期待する声もない訳ではないので、バタフライシート仕様という、従来の設計を引き継いだ仕様も残している。

我が家の場合はリアシートに人が乗ることはたまにしかないので、座り心地より寝心地を優先したい。即ちバタフライシート仕様がターゲットとなる。

その2代目ステップワゴンだが、排気量が2リッターと2.4リッターの2種類がラインナップされている。また、エアロや専用内装の充実装備モデルとしてスパーダというグレードがある。
2.4リッターモデルだと3ナンバー登録になるが、車体自体は2リッターモデルと同一で5ナンバーサイズに納まっている(厳密にはオーバーフェンダーによって僅かに3ナンバーサイズとなるよう調整されている)。取り回しが良い車体で大きいエンジンを積んでいるならより快適に運転できていうことなしである。

という訳で自分の妄想において条件がだいぶ見えてきた。車種はステップワゴン、2.4リットルのスパーダ、シートはバタフライシート、しかもサンルーフ付き、登録5年以内かつ走行5万キロ以内、である。そんなのあるのか?

物は試し上記の条件で検索してみたが案の定、タマ数は少なかった。だが、無いこともないようだ。

自宅から割と近いとある店に売られているのを見つけたので、ちょっと現物を見てみたくなり、カミさんを誘って見に行くことにした。誘って断らないところを見ると、まるっきり脈がない訳ではなさそう。が、その店で売られている車は車内が香水臭いうえに、あまり綺麗に使われている物ではなかったのでその車自体には全く食指が延びなかった。とはいえせっかくの機会なので他に展示されている車も見ておこうと思って、いくつかの車を見せてもらったのだが、店員が我々の後を付け回すようにずっとついてきて、落ち着いて見ることが出来ない。

結局大して情報収集も出来ないまま店を出た。仮に乗りたい車が見つかってもその店では買いたくない。カミさんの中古車に対するイメージが更に悪化したことは言うまでもない。どうしてくれるねん。

その一件があって、何となくそれ以上話を進めにくくなってしまって、そのまま数か月が過ぎた。

丁度その頃法事で岩手に行く用事があった。なんか、行って帰ってきたらやっぱりどっと疲れた。
何が疲れるのかというと、スパイクはエンジンの特性なのか、車が重いせいなのか、アクセルをオフにするとすぐにスピードが落ちてしまうのだ。高速走行中は100キロなら100キロで出来るだけ速度をキープして走らせないと渋滞の元になる。だがそういう挙動をするので、常時アクセルの微調整が必要になるし、その微調整のためにスピードメーターを頻繁にチェックしなければならない。これが疲れるのだ。

このことがきっかけで、再び買い変えたい欲が蘇ってきた。久しぶりに中古車を検索したら、数日後に条件に合う車がまた1台見つかった。再びカミさんに車を見に行かないかと声をかける。前回の印象もあるから嫌がるかな、と思ったら意外にもあっさりと、じゃあ行こうか、といってついてきた。法事から帰ってきたときに、疲れたー、と連呼して布石を打った甲斐があったかw

それはさておき車を見に行く。前回と違って今回の車はだいぶ程度の良い車だった。車内の汚れも少なく、綺麗に乗られていたことが分かる。年式は初回登録から5年落ちなのでそこは条件ギリギリだが、走行は32000kmと少な目。もちろん、上述の条件はすべて満たしている。

運転席の足元を見ていたとき、ふとシート下にレバーが付いていることに気づいた。

こ、これは。。。あの噂の、、、1列目回転シート!!(少年漫画で主人公がレアな技を繰り出した時のガヤのセリフっぽくw)

説明しよう!1列目回転シートとは、運転席シートと、助手席シートを真後ろに180度回転させることが出来るオプション装備である。
2列目シートの背もたれのシートバックはテーブルになっているから、2列目のテーブルを囲んで3列目シートと対座モードにすることが出来るステキなオプションなのだ!でもあまり人気がないのか、滅多に装着する人がいないレアな装備なんだ。

いきなり少年漫画の1シーンのようなくだらないセリフ回しを繰り出してしまうくらい、浮足立ったと思っていただきたい。なにせ車中泊をする前提のマシンである。このオプションがあれば、広々快適に食事を取ることが出来る。これは欲しい!

が、一方でやっぱり無駄遣いなんじゃないか、という懸念も拭い去れない。スパイクに乗り続けていれば、その分お金を貯めることが出来る。それが正解なのでは。。。気持ちは逡巡するが、まぁ、最終的にはカミさんが首を縦に振るかどうか次第。縦に振ったら、心置きなく購入できる。

モノは試しにスパイクの査定をしてもらう事に。
このステップワゴンには純正のDVDナビがついていたが、今時DVDナビもないので、できれば最新式に更新したい。あるいは今スパイクに付けているナビの方が新しいのでそれを移植でもいい。ということで、ナビあり、ナビなしの2つの査定をお願いすると、ナビありなら50万、なしなら40万で買い取りだそうだ。ナビ代は10万か。10万では新しいナビを買うことはできないので、スパイクのナビを移植する方針として、ナビなし40万でステップワゴンの総額を計算してもらった結果、差額は150万となった。

横で見ているカミさんが浮かない顔をしている。スパイクが40万にしかならないのが不満らしい。その店はクルマの店頭値引は一切しないと宣言している。売る方値引きできないなら、買う方勉強できないか、と聞いてみたがそっちもNGとのこと。

ちょっともう一度車を見てきます、と伝えて、車の前でしばし相談タイム。カミさんだって旅行が好きな人間である。この車を買ったら快適になるよ、という話をする。と、少し間をおいてから、

「買っちゃう?」

お!? い、いい・・・の?
そんなにあっさり首を縦に振るとは思わなかったので、自分がうろたえてしまったw
それまでステップの感想は殆ど話さなかったカミさんだったが、聞くと案外気に入っていたらしい。ただし、やっぱりスパイクの買い取り価格が低すぎることがネックだと言っている。7年落ちで走行も6万kmを超えている車なので、相場相当じゃないかと言う気がする。多分厳しいんじゃないかな、と思いつつダメもとでもう一度交渉してみる事になった。

再び事務所に戻り担当者と再交渉。粘り強く交渉した結果、3万円だけ引いてもらえることになった。
3万なんて焼け石に水なような気もしたが、カミさん的にはOKだそうだ。気分の問題か?

あらら、買うことになっちゃったよ。本当に買ったんだよね?w
ということで、このステップワゴンが我が家の次期マイカーとなった。カミさんから、このクルマは乗り潰すからね!、としっかり釘を刺された。もちろん、想定外の不調が出たとかそういう悲劇がない限り、そう不満を抱くこともないだろう。

ちなみに、この車は外装はあまりいじらないつもりだ。ただし、これからの旅行を快適に過ごすための加工などはあれこれやってみたい。乞うご期待、ということで。

Posted by gen_charly