富士山に登ろう - 4(2009/09/06)
で、山小屋を出ると目の前はいきなり大渋滞。
山小屋からご来光の時間に合わせて登山者が続々と出発し始めているようです。
渋滞のせいでかなりの牛歩を強いられる事に。
50センチ進んでは30秒くらい立ち止まってを繰り返します。
これは原付にとって渡りに船。
元気なときだったら最悪な気分になるところですが、逆にゆっくりとしか進まないので、息が上がらずに登る事ができ、呼吸が苦しくなる事も無く、高山病の偏頭痛に悩まされる事も無く歩みを進めていく事が出来ました。
ふと、視界の片隅に登山にはおよそ似つかわしくない物体が見えたような気がしました。
焦って二度見すると、背後にマウンテンバイクを押した登山者が。。。
とうとう幻覚を見るようになってしまったかと一瞬焦ったのですが、カミさんもその登山者に気付いて、びっくりしてます。
なんだ、この光景は。。。
「その自転車で山を下るんですか?」
カミさんがその登山者に質問すると、そうです、と答えています。
いやはや、なんとも物好きな人も居たものです。。。w
相変わらず目の前の渋滞は遅々として進まず、もしかしたらご来光に間に合わないかなぁ。。。とちょっと弱気になりながら進んでいくと、目の前がちょっとした岩登りになりました。
ここのせいで進みが遅いようだったのですが、そういえば自転車の彼はどうするのかとふと彼のいた方を見ると、なんとバイクを肩に担いでゴリゴリと渋滞を尻目にコース外の岩場を登っていっています。
どう転んでも原付には無理です。。。
いやはや、なんとも物好きな人も居たものです。。。www
ブログ的にメチャクチャ面白い絵だったのに、その頃の原付はもはや何をするのも億劫な状態だったので、カメラもポケットに仕舞ったまま。。。
なので、この辺の写真はあまり撮っていません。
惜しい事をしたものだ・・・Orz
その岩場を通過すると、幾らか進みが速くなりました。
さっきから空気が冷たいので、ネックウォーマーをマスクのように被って登っているのですが、それだと新鮮な空気が入ってこなくなってしまうので、直接外の空気を吸うと、これがやたらと乾燥していて、瞬く間に口の中がカラカラに乾いていきます。
それで、ちょっと動きがゆるくなるタイミングを狙って、水分の補給を行うのですが、沢山飲むと気持ちが悪くなりそうだったので、口の中が湿るくらいの量を含んで凌いでいきます。
「頂上の鳥居が見えてきたよ!もうすぐ頂上だよ!」
はるか遠くに見えていた鳥居がいつの間にか目前にそびえています。
そうなると、もう一頑張りしようと力がみなぎって来ました。
背後を振り返ると、既に空は白み始め、あとわずかで太陽が昇り始めそうですが、うまくいけばご来光に間に合いそうな感じです。
— 感動のクライマックス —
一歩一歩着実に歩みを進めて、ついにその鳥居を通過。
ついに頂上に到着しました!
2度目にして始めて頂上に到達です。
日本で一番高い場所に来た。。。と言いたい所ですが、頂上の中でも最高所は火口を一周するお鉢めぐりの途中にあって、残念ながらここは最高所ではありません。
でも今の体力でお鉢めぐりをする余裕も無いので、ここで満足です。
頂上に登りきった感動の余韻に浸りたい所ですが、今にも太陽が地平線に顔を出しそうな雰囲気だったので、先行した二人と合流するために待合わせ場所へ。
待合わせ場所は、山頂の鳥居、ということになっていたらしいのですが、周りを見回しても二人の姿が見当たらず、もしかしたら別の場所にある鳥居の方かもしれないというので、そこまで歩いていくと、すでに沢山の人たちがめいめい陣取りをして、ご来光を今か今かと待ちわびていました。
こちらの鳥居の辺りを見回しても彼らは見当たらず、そうこうしているうちに、地平線のかなたからゆっくりと太陽が昇り始めました。
ひとまず二人の捜索を中断して、ひとしきりご来光を堪能する事に。
下界には雲が立ち込めていますが、ここは雲の上。
徐々に昇ってくる太陽に、辺りからため息にも似た歓声が上がります。
ある人は写真を撮り、ある人はビデオカメラで太陽が登り行く様を映し、またある人は静かに眺め、それぞれがそれぞれ、ご来光を堪能しているようです。
ある程度日が昇ってきて、気が早い人はもう下山を開始し始めていました。
原付は先行した二人と合流しなければならないので、一旦登山道側の鳥居に戻る事にしたのですが、一足遅れて登りきった登山者たちの波に逆らえず前に進む事が出来ません。。。
仕方ないので一旦戻って、途中のベンチで休憩しつつ二人が見つけてくれるのを待つ事に。
ベンチに腰掛けてリュックを下ろすと、疲れが一気にきたのと、太陽の光の暖かさとで眠くなってしまい、また一人でウトウトしていました。
カミさんは横で引き続きご来光を眺めていたようですが、そんな二人を彼らが無事見つけてくれて何とか合流できました。
原付たちは見つけることが出来なかったのですが、二人は最初の鳥居の方にいたらしいです。
ひとしきりみんなで雑談しつつ休憩。
帰りは、昨日登り始めた5合目駐車場に11時ごろ集合となっています。
そこから逆算していくと、そろそろ出ないとならない時間です。。。
時間が有れば、体が慣れるのを待って原付もお鉢めぐりをしたい所でしたが、まぁ、それはまたの機会にすることにします。
という事で、頂上の滞在時間、およそ一時間半にて、下山開始。
大層苦労して登ってきたのに、あっという間に下山を始めるのはなんとなく後ろ髪引かれる思いですが、まぁ仕方ありません。
で、この下山道がまた曲者なのです。
足を護るためか、足元は細かい火山礫が敷き詰められているのですが、岩場がない代わりにかなりの急勾配が続きます。
登りで膝がくたびれているので、踏ん張りが利かないのですが、下り坂に身を任せると今度は止る事が出来なくなりそうなので、ゆっくりと一歩一歩踏ん張りながら降りていくしかありません。。。
それでも時折、火山礫がずり落ちて足が滑ったりして、危険極まりない道です。
奄美旅行の時以来の雪国モードでじわじわと歩みを進めていきますが、 これはこれでモモにくる。。。
コーナーで休憩すると膝が一気に大爆笑。。。
Wさん達は相変わらず元気で原付はすぐ置いていかれます。
コーナーで待っててくれるのですが、多分まだらっこしいと感じているに違い有りません。
カミさんが気を利かせて先に行くように伝えると、二人は軽々と下っていってあっという間に姿が見えなくなりました。
原付はカミさんと二人でダラダラと降りていく事に。
それでも原付よりカミさんの方がまだ軽快に進んでいるので、コーナーの度に待たせるハメに。。。
それでも2時間くらいで何とか5合目にたどり着き、Wさん達と無事合流。
これで今回の登山は無事終了です。
軽快に山を下っていったWさん、足に大層大きな水ぶくれをこしらえてしまい、しかもそれが破けてしまったそうで、かなり痛そう。。。
5合目で30分ちょっと休憩しつつ待機していると、バス到着のアナウンスが流れました。
いそいそとバスに乗り込むと暫くして、登山後のお楽しみ、温泉へ向けてバスは走り始めました。
で、気が付くと温泉に到着。
やっぱり爆睡してました。。。
— Wさん、食べる食べるw —
案内された温泉は富士急ハイランドの近くにある「リゾートイン芙蓉」。
国道沿いに有って見た目スーパー銭湯のようですが、一応温泉との事。
バスの集合時間は14時。
温泉に入った後は昼ごはんにするつもりだったのですが、併設されている食堂は、その辺にある居酒屋「はなの舞」 だったので、敢えてそこで食べる必要も無く、食いしん坊で鳴らしたWさんが到着する直前に目ざとく見つけていたうどん屋に行こうといいます。
原付たちもそれに賛成して、集合時間は13時に決まりました。
風呂は露天風呂もあって、思いのほか空いていて快適でした。
が、流石に一時間程度の時間しかないとのんびり浸かることも出来ず、割とあわただしかったのが残念。
予定の13時に全員集合できたので、温泉の建物を出てすぐのところにあるうどん屋 「吉田うどん玉喜亭」 に。
丁度お昼時だったのもあって店内は割りと混雑しています。
食券を購入して10分くらい待っていると席が空いて、それから数分でうどんが運ばれてきました。
ここのうどんは揚げ玉は自由に入れられるようにタッパーに入っています。
味はというと、つゆが割と薄味で、麺はかなり歯ごたえがあります。
よく言えばそんな感じですが、正直おいしい!とうなるようなものでは有りませんでした。残念。。。
食事を済ませるとほぼ集合時間になったのでバスに戻ると、温泉にいた人たちもゾロゾロと乗り込んで、程なく出発。
で、これがまた気が付くと中央道の石川パーキングエリアにいたりする訳です。。。w
眠くて面倒だったので、降りずに車の中でそのまま寝続ける事に。
で、再び気が付くと、もうまもなく新宿に到着する所でした。
狭いバスの中で眠れるか不安だったのですが、予想に反して大爆睡。。。
よほど疲れたのか、それとも原付の神経が鈍感になってきたのか。。。
新宿集合組を降ろした後、乗り換えるのかと思いきや、帰りはそのまま東京駅まで行ってくれるとの事。
なんだかまた少しウトウトしていると、すぐに東京についてしまいました。
荷物を降ろしてツアーは解散。
で、最後にお茶でもしようという話になったのですが、食いしん坊で鳴らしたWさん(さっきも書いたって!)、 「なんか食べよ」と言うので、食べ物屋を探しながら辺りをうろつくと牛角を見つけました。
原付もすっかり調子が戻り、お腹も減って来たところだったので、大賛成。
4人で壮絶な肉争奪戦を繰り広げて(ウソですw)、今回の山登りの思い出などを振り返りつつ、しばし談笑。
隣の席に座ったグループも登山スタイルで、彼らも富士山に登ってきた人たちなのかなぁ、と思っていたら、Wさんが軽く会釈。
あれ?知り合い?と思いつつ、それから話が膨らむ事もなかったのでそれぞれグループ内の会話で盛り上がり、2時間ほどおしゃべりをして、解散となりました。
店を出てからWさんに「今の誰?」と聞いてみたら、うちらと同じ山小屋で真っ先に大爆睡こいて大イビキをかいていた方だったそうで。。。w
それなりの睡眠と、十分な栄養補給をしたからか、体は思いのほか好調。
駅の階段が苦になる事も無く、背負っているリュックも心なし軽く感じます。
で、無事自宅に帰ってくることが出来ました。
カミさんはまた登ろう!って言ってきそうですが、原付的には頂上を極めて目的は達成したので、もう少し難易度の低い山から徐々に制覇していきたいと感じている所存でありますw
(おわり)