埼玉の地味な名所ツアー - 4(2012/04/15)

— B級スポットの聖地 —

次に行こうと思っているのは、坂戸市の北東に位置する吉見町にあって、きっての観光名所である吉見百穴 です。

吉見百穴は「よしみ-ひゃくあな」または「よしみ-ひゃっけつ」と呼ばれる、前述の雷電塚古墳と同時期に造られたという墳墓なのですが、一般にイメージする古墳とは異なり、山肌一面に多数掘られた小さな横穴の一つ一つがお墓という一風変わったスタイルの墳墓です。

原付が幼い頃は両親も「ひゃっけつ」と読んでいましたが、近年では「ひゃくあな」 と呼ばれることが多いようです。

また、吉見百穴の周辺にはB級のカテゴリにすら含めることが憚られるほどの濃厚なスポットが点在していることで、とある筋wには非常に有名なエリアです。
もっとも、原付は幼稚園か小学生位の頃に一度来ただけで、百穴ですら薄らぼんやりとした記憶しか残っておらず、ましてや周辺の珍スポットなど、両親が進んで訪ねるわけも無く、最近までそういう場所だと知る由もなかったのですが。

ということで、おぼろげな記憶をはっきりさせると同時に、周辺のスポットを自ら訪れてその目で確認するべく意気揚々と乗り込んでみたいと思います。
駐車場に車を停めて入り口の方へ歩いていくと、近年建てなおされたと思われる真新しい入り口があり、入場料300円を払って入場。

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場内に入ってすぐに小さな穴が山肌に沢山開いている岩山が姿を現します。
この光景は、WEB上の記事でも良く見るものです。

中央に山のてっぺんまで続く階段があって、両脇は戦時中に陸軍が掘ったトンネルがひときわ大きな口を開けています。
一番奥には天然記念物のヒカリゴケが自生するという穴の看板が出ていました。

カミさんは数年前に友達と一度訪れていて、その時はヒカリゴケという割にぜんぜん光って見えなくてつまらなかった、と言っていましたが、看板の袂にある穴をフェンス越しに覗くと。。。

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ちゃんと光ってるじゃないですか!w
カミさんも「あ、光ってるね。」と地味に感動していました。

後で調べたところによると、ヒカリゴケは、それ自体が光るのではなく、コケに含まれるレンズ状の細胞が弱い光を増幅するために光って見えるものだそうで、前回は薄暗い夕方近い時間に見たと言うことなので、そういうことなんだと思います。

ヒカリゴケ自生地のすぐ脇には旧陸軍のトンネルがありますが、先に丘の頂上へ続く階段を登ってみることにしました。

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傾斜のきついバリアフルな階段を一旦頂上まで登り切って、少し息を整えてから周辺にぽこぽこ開いている穴を見学しながら階段を下りて行くことにしました。

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穴の一つ一つは奥行きが1mから1.5mほどで高さは60~70cm程度です。
これらの穴は発見当初コロボックルなどの小人が住居として使っていた、 と結構まじめに考えられていたようです。

後にコロボックルは実在しないと結論付けられ、またコロボックル説を主張していた人が亡くなったことによって小人住居説は消滅し、現在では古墳時代の人の墓として使われていた物だとされています。

しかし、付近には雷電塚古墳のような普遍的な形の古墳も点在し、それらと同時期に作られた墳墓なのに、なぜこの地域だけこういった様式になったのかは不思議です。

そんな議論がなされていたぐらいなので、発見時に遺骨や副葬品は残っていなかったようですが、いくら墓荒らしがいたとしても、これだけ無数の穴が開いているのに骨の一つも残さない、と言うのはそれはそれで無理があるような気もします。

穴の中は温度変化が少ないから冷蔵庫とか保管庫のようなものとして使われていたとか言うのが案外真相だったりして。。。w

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それぞれの穴には台座のようなものが今でも残っていて、これは棺が浸水しないための装置だったとされています。

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穴の壁面には後の時代の人々によって落書きがされ、痛々しい姿をさらしています。

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再び麓まで降りてきたので、今度は陸軍のトンネルの方へ行って見ようと思います。
中に入るとすぐにひんやりとした空気につつまれて、吐く息が白くなります。

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このトンネルは縦横に掘られていて、奥のほうは崩落している箇所があるそうです。

この雰囲気、どこかで見覚えがあるなぁ、と思ったらそれは松代の大本営跡でした。
わざわざ松代まで行かなくてもこんな近くにこういった遺構が残っていたとは。
もっとも規模は松代の方がはるかに大規模ですが。

ここのトンネルも象山地下壕と同様、完成前に終戦を迎えたため、実際には穴を掘っただけで施設としては使われなかったそうです。

トンネルの非公開部分はフェンスが張られて立ち入れないようになっています。

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フェンス越しに奥のほうを覗くとこんな感じで、まだもう少し奥のほうまで入っていけそうです。

ちなみにトンネルを歩いている最中、松代で見たそれとは異なる既視感を感じました。
それが上で触れた、幼い頃親に連れて来て貰った時の景色でした。

出かける前に「吉見百穴は昔の人のお墓だ」と親から教えられ、なんだか怖そうな場所だと言うイメージが先行して余り行きたくないなぁ。。。と思いながら渋々来たことや、その先入観のせいで立入禁止のフェンスの先に続く景色に何ともいえない不気味さを感じたこととか、その後暫く寝しなに思い出して怖かったこととか、頭の中で記憶が次々とよみがえりました。

余韻に浸る間もなく、やがてもう一つの穴から再び外に抜け出てきました。
時計を見ると丁度昼過ぎ。

百穴前の広場には売店などもあるのですが、お昼を食べる店はもう決めているので、そのまま百穴を後にしました。

Posted by gen_charly