北陸ドライブ - 7(2012/10/07)

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そこからは海岸も間近に見えてもう一息といった所。
さっと進んで海岸に降り立ちました。

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ここは小さな海岸で、差し渡し50mほど、といった所。
両側をこれぞ親不知、と言った感じの断崖に阻まれています。

粒の大きな砂利が転がる海岸で、波が砂利をごろごろと転がす音が背後の斜面に響き、優れない天気とあいまって若干不気味な印象を持ちました。

色々流れ着いたごみが落ちていて、面倒だったので調べませんでしたが、それらを具に見ていけば日本語のかかれていない漂流物がいくらでも見つかりそうです。

このわずかな広さの海岸も、恐らくかつてはここを通過する人たちがひと時の休息を取ったり、緊急時の避難場所として利用したりしたのかもしれません。

断崖の方に目をやると、海に落ち込むその場所は崖そのものを波が洗っている状態で、足場すらなさそうです。
かつての人たちはどうやってここを通過したのでしょうか。。。

そんな事に思いをめぐらせながら10分ほどぼんやりして、今度は上の展望台に上がってみる事にしました。

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が、この急斜面ですよ。。。
降りる段階で分かってはいたけど、これはめげます。。。

とはいえウダウダ言っていても階段を登らないことにはここからどこへも行けないので、意を決して階段を登り始めました。
すぐに心臓が早鐘を打ち始め、ちょくちょく一息入れながら登って行くのですが、その途中で背後を振り返ると、さっきいた海岸は既に小さくなり、急激に標高を稼いでいるのが分かります。

一歩後ろを歩くカミさんが、

「階段って結構疲れるものだよね。」

というので、

「でも階段があるおかげでこれだけの急斜面をこんなに簡単に登ることができるんだよ。」

と返すと、妙に感心していました。
というか、原付も自分で言っておいて、妙に納得してしまいましたw

そんなちょっと頭の悪い会話をしつつ、どうにか元の場所に戻ってきました。
そこからそのまま車道を登って今度は展望台へ向かう事に。

展望台の場所はすぐに見つかりました。

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展望台からは市振の集落方向と、

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反対側を振り返ると親不知駅のある歌集落の方向がそれぞれ見えるのですが、どちらも見事なまでの断崖絶壁。
こんな所を通過しなければならなかった先人たちの苦労がしのばれます。

親不知駅付近は先に開通している鉄道と国道のせいで土地が得られず、前述の通り高速道路は海の上を高架で抜けています。

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この展望台からも、その空中回廊のような高架橋を見る事が出来ます。
この海上高架橋という方式はここの物が日本初の採用だそうです。

展望台のあずまやの一画には、この親不知海岸のジオラマが作られていて、それぞれのエリアに付けられた名前等が紹介されていました。

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今いるこの道は国道8号線の旧道で、現在は自動車での進入が出来ないらしいのですが、少し先のほうには「矢如砥如(とのごとく-やのごとし)」 の4文字が壁面に刻まれた場所があるそうで、この旧道が完成した当時、今まで大変な悪路しかなかった場所に、通行しやすい道がようやく完成したことを祝って、道の様が「砥石の如く平らで、矢の如く真っ直ぐ」と賞賛しているものだそうです。
この後行って見ようと思っていたら、再び雨が降り出してきてしまい、雨具を持ってきていなかったので、結局行けず終いでした。。。

わざわざ面倒な国道を通り抜けていく物好きな観光客がそんなに多くないせいか、人気の少ない静かな場所でしたが、自然の厳しさとそれに対峙する人間の叡智をいっぺんに見る事が出来る、思いがけず面白いスポットでした。

Posted by gen_charly