デッキにも鈴なりの人を乗せて定時に出港。船は高速船と言うだけあって港外に出ると全速力で海面を蹴り始めた。
昨日の風の影響がまだ残っているのか海上はうねりがあって、それを超えるたびに船は大きくアップダウンを繰り返すので、どこかに捕まっていないと転落してしまいそうだ。。。
確かにこれはジェットコースターっぽい。
盛大に揺れて盛大にしぶきを撒き散らすデッキの上から地内島(じないとう)を激写!
地内島はL字型に折れ曲がった形状をしている無人島で、釣り人などが渡ることがあるそうだ。
平べったい式根島の背後に神津島の天上山が見えている。
明日無事に登れるのかな・・・。
新島と式根島の間は3キロほどしか離れていないので、高速船だとわずか10分の道のり。
メルヘンチックなデザインの赤灯台に迎えられて野伏港に到着。
式根島は新島の属島とされていて、行政的にも新島村に属している。
500人あまりが暮らしているが、歴史は割と浅く、明治時代に入植が始まって以来まだ100年ほどしか経っていない。梅仁の主人も言っていたように、島に水が出なかったので水利が得られるまでは開拓されなかったのだ。
ところで、式根島はかつて新島と地続きで元禄の大地震の津波によって分断された、という伝説があって、自分もずいぶん昔にそんな話を聞いた記憶がある。
伊豆諸島は別名伊豆七島と呼ばれているが、人が住んでいる島は9つある。
うち、青ヶ島は伊豆諸島と呼ぶにはあまりに遠いので一般には含まれていない。
じゃあ、もう一つは?ということで、上述の通りかつては地続きだったので、合計7つ、ということになったのではないか、という説が出たらしい。
今でも一部のパンフレットなどにまことしやかに表記されていたりするらしいのだが、どうもこの説は事実ではないらしい。
詳しくはこちらを参照のこと。
うんちくはともかく、式根島にも上陸したぞー!
式根島は島旅82番目の島となった。
で、何はなくとも移動手段の確保(ってこの言い回し新島でもした気が。。。)
式根島は周囲12キロほどの小さな島で、しかも西側三分の一ほどは車両が入れない遊歩道になっているので、クルマは不要らしい。とはいえ自転車だと案外アップダウンがあってキツいので電動アシスト付きがベストとのこと。
島にレンタサイクルの店は沢山あるというのだが、連絡先が分かる店は2軒しか見つけられず、ぞれぞれ電話で問い合わせしたところ先着順だと言われたのは前述のとおり。
港に着いたので再度連絡しようと、2軒のうちの一つ、式根島モータースに電話をしてみたらまだ借りられるというので、まずは店にむかうことにした。
野伏港から島の集落の中心へ向かう都道237号線は新島と同様「式根本道」という通称が付いている。港から台地になっている部分まで九十九折で高度を稼ぎ、登りきると島で唯一の信号がある。
そこからは平坦な道となるが、式根島モータースの場所は思いのほか遠く、港から15分くらいかかった。
店までの途中にレンタサイクルの看板を掲げた店が数軒あり、電動アシスト自転車をレンタルしている店もあってかなりなびいてしまったw
この島も予約なしでもどこかしらの店で手配できそうな感じだ。次回来る時は港に近い店で借りた方がよさそうだ。
レンタルは一日2000円、バッテリはなくなりそうになったら戻ってくれば交換するとのこと。
電動アシスト自転車に乗るのは初めてなのだが、ペダルを一定の力で踏み込んだ時にスっとペダルが軽くなり、スルスルと加速する挙動はクセになりそうだ。w
もちょっと安くなったら家でも買いたいなー。
漕ぎ始めてほどなく道が下り坂になり、どうやら野伏港とは反対側の海岸に近づいているらしい。野伏港から歩いても20分位で着きそうなので、そう考えるとやはり小さな島である。
下り坂を降り始めてほどなく、「みやとら」という商店を見つけた。
外で店の写真を撮ってから中に入ろうとした自分を先に行っていたカミさんが手招きした。
「赤いか焼きそば売ってるよ!」
よっしゃ!新島でお目にかかることができなかった赤いか焼きそばが、他のお弁当に混ざって当たり前のように売られていた。
他に島のり弁当というのもあって、島のりというのは地海苔のようなものだと思うが、通常サイズとミニがあったので、味見としてミニを買ってみることにした。
店内をぐるりと一周したら大島牛乳が売られていた。
大島では社長さんが島内ですら配送が難しいと言っていたが、この数か月の間に島外へも配送できるような技術革新があったのだろうか?(笑)
レジの脇には式根島出身の歌手だという夏一という人のミニアルバムが置かれていた。
これは帰りに改めてチェックして気に入ったら買ってみようと思ったのだが、結局忘れてしまった。。。
買い物が済んだら島内散策の開始、ということでまずは島に何箇所かある温泉を巡ってみたい。島に来ていきなり温泉というのも変な感じだが、いま島に来ている他の観光客たちが普通に観光するとしたら多分温泉は一番最後になるのではないか、と予測してあえて先に回ることにしたという次第。
「各温泉」と書かれた案内板に従って路地を曲がるとすぐ急な上り坂になっていて、電動アシストのスイッチを入れ忘れていたカミさんは、普通に登るよりも重いペダルで登る羽目になり往生したようだ。
登っている途中でモーターの電源を入れたのにアシストされなかったとぶー垂れている。
急発進を防ぐためだろうか。
暫く走ると、「湯加減の穴」と書かれた石垣が見えてくる。