三河湾の島&熊野・高野山 - 13(2011/08/14)

— いや、怖いから。。。 —

暫くは整備された道が続き、順調なペースで進めます。
程なくトンネルになって、それを抜けると、和歌山県から奈良県十津川村に入ります。

村に入って暫くは最近整備されたと思われる高架の快適な道が続いていますが、それも程なくぷっつりと途切れて、昔ながらの一車線の道路に戻りました。

そしてカーブを曲がるとすぐ、大きな滝が目の前に飛び込んできます。
看板に十二滝 と書かれていて、少し停めてみることにしました。

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が、何せ狭い一本道、車を停めて置けるスペースはわずかしかなく、ギリギリまで寄せてどうにか駐車。

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水量が少なく、線の細い印象の滝ですが、その落差は100mくらいはありそうな感じで、なかなか迫力があります。

あまり長居するのも交通の邪魔、というか他の人が停める事が出来なさそうなので、写真を数枚撮って出発。

しかし、十津川村は奈良県の秘境。
十二滝から先は、国道とはいえさして道幅の広くない片側一車線の道が続き、ハンドルを右に左にと動かし、すれ違いに気を付けながら走っていくのでやや疲れます。

まぁハンドルを常に動かしているので、眠くならないのがせめてもの救いですが。

走っていると、時折谷瀬の吊り橋xxキロ」 という看板が路肩に掲げられているのが目につくようになりました。

最初は立ち寄るつもりは無かったのですが、数キロごとに見かける看板のサブリミナル効果か、何度も見ているうちになんだか行ってみたくなってきました。

辺りは暮れなずみ、まだ渡れそうなので、つり橋の目の前の駐車場に車を置いて、いざ、つり橋へ。

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最初はつり橋といってもタカが知れているものだろうとなめてかかっていたのですが、現物を見てびっくり。
なにこの異様な高さ、長さ、古さ。。。

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無料で渡れるようになっていますが、その対岸ははるか遠くに小さく見えています。
しかもつり橋の上部に掲げられた看板には「危険ですから一度に20人以上はわたれません」と警告が。

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つり橋の先を見ると、どう見ても20人以上は人が居るように見えます。
交通整理をする係員もなく、渡り放題なので仕方ないといえば仕方ないのですが。。。

で、意を決してカミさんと橋に足を踏み入れることに。

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徳島のかずら橋と異なり、歩くところは踏み板で覆われているので、足を踏み外す心配はなさそうです。

が、その異様な高さは確実に足をすくませてきます。。。
眼下に見えるさざれ石の河原が更にその気持ちを強くしてきます。

下を見ていると渡れなくなりそうなので、なるべく前のほうを向いていると、気持ちが若干落ち着いてきます。

なのに、眼下に目をやると、意地悪するかのように思わずカメラマン根性に訴えかけてくる謎の地上絵が。。。

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いや、いいんだけどさ。
よくそんなに大きく石を並べきったものだ。。。

その根気をほかの事に使えば役立つのに。。。と愚にも付かない悪態を付いて気を紛らわせて足を進めていきます。

なのに。。。
怖いもの知らずのガキンチョどもが走ったりはねたりして、つり橋を揺らしまくってきやがります。
で、これが思いの他大きく揺れるわけです。。。

前のほうだけを見て進んでいると、不意打ちをかけるように、グラリ、と足元が揺れて、心臓が凍りそうになるわけです。
それでも、前を見るとまだ4分の1も進んでいないことに気づくわけです。

普通なら、ある程度揺れても「ここは強度が計算されているから大丈夫」と思い込んで、気持ちを落ち着かせるのですが、誰も監視する人が居ない状況で、人数オーバーの状態で、おまけに無駄にガキンチョが揺らしまくっているとしたら、その前提が崩れてしまい、これは恐怖以外の何者でもありません。。。

こういう類はカミさんの方が強いので、原付は「ここは我慢して渡らねば男が廃る」と覚悟を決めていたのですが、渡ったあと帰り道のことを考えると憂鬱になってきます。

ふと目の前を歩いていたカミさんが立ち止まりました。
そしてきびすを返して、

「無理。戻る。」

外人に日本語を喋らせた時のような、簡潔かつ的確な言葉を発して、来た道を戻り始めました。
その戻りの速さといったら、行きの時に何であんなにちんたら歩いたのだろうと思うくらいのすばやさで、思わず苦笑してしまいました。

ようやく地にしっかりと足が着くところまで戻ってきて一安心。
勢いで立ち寄った割りになかなかエキサイトしたつり橋でした。

後になって調べてみたところによると、このつり橋は日本最長の鉄製つり橋だそうで、何より驚いたのが、地元の人や郵便配達員はこのつり橋をバイクで渡るというなかなかアクロバティックな曲芸を披露するそうです。

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国道に戻る途中できれいに見渡せる場所があったので、一枚写してみました。
足元の河原はキャンプ場になっています。

再び国道に合流し、ひたすら走っていくと、一時間ちょっとで五條市街に到達しました。
久しぶりに街の明かりを見たような気がします。

途中、晩御飯をイオンで調達して、その後国道24号をひた走り、今日の寝床になる道の駅「紀の川 万葉の里」に到着しました。

晩御飯を済ませて時計を見るとまだ22時前でしたが、明日も歩き回ることを考えて早めの就寝となりました。

Posted by gen_charly