北陸ドライブ - 6(2012/10/07)
— 親知らず —
宿泊場所となった「うみてらす名立」は海に面した場所にあるせいか、明け方から荒れた天気で、車体に打ちつける雨と、激しく車を揺らす風に何度も目が覚めました。。。
なんとなく寝た気がしないのですが、惰眠を貪っているわけにもいかないので、8時過ぎに起床。
眠い目をこすりながら、携帯で天気予報をチェックすると、午後からは晴れる見通しとのこと。
富山県内まで行けたら、前述の通り早朝から2時間くらい釣りを楽しんでみるつもりだったのですが、この荒れ模様では行ける行けない以前に釣りは無理。。。
のんびりと金沢を目指すことにしました。
昨日のうちにスーパーで買い込んだパンと昨晩の煮物の余りで朝食。
朝食を食べ終わって少ししたら、さっきまで荒れまくっていた風雨が治まってようやく外に出れるようになりました。
施設をしばし見学してから出発。
昨夜到着した時は暗くて気が付かなかったのですが、道の駅の隣は港になっているようで、車を出口へ走らせる途中、港に釣り人が鈴なりになっているのが見えました。
うは。。。
超やりて~!参戦してぇ~!!
頑張って早起きしていればと思ったところで後悔先に立たず、今から参戦したら金沢へ着くのが遅くなってしまうので、泣く泣く諦める事に。
しかし、本当の釣り人(つりんちゅ)ってのはどんなバッドコンディションでもチャレンジするものなんだなぁ。。。
邪念?を振り払うように道の駅を後にし、糸魚川の市内を抜けると「親不知(おやしらず)」に差し掛かります。
親不知は北アルプスの山々が海に落ち込んで作られた断崖絶壁が十数キロに渡って続く北陸道きっての交通の難所ですが、正確には親不知駅のある集落を中心に糸魚川方向を子不知、市振方向を親不知と呼びます。
かつてはこの海岸を波の様子を見ながら通過しなければならず、親は子供を省みる余裕が無く、また子も親を気にかける余裕もないほどの危険な道中であったことからその名がついたと言われています。
現在はこの難所を国道は崖に沿って短いトンネルと長い洞門やスノーシェッドをいくつも連ねて通過し、鉄道はやや山側をトンネルを多用して通過していくのですが、高速は山中を長大なトンネルで一挙に通り抜けていきます。
(これが件の魔のトンネルになるわけです。)
ここまで快適だった道も、このエリアに突入すると途端にギリギリ2車線、制限速度40キロ(一部30キロ)の険しい道に変貌します。
このエリアに入ると、路傍の警告看板が急に増えて、平衡感覚がおかしくなりそうな妙なアップダウンとカーブを繰り返す道になるのですが、結構ドライバー的には楽しい道です。
#同乗者的には辛い道かもしれませんが。。。
そんな道をユルユルと進んでいくと、親不知展望台(だったかな?)の看板が見えました。
すぐに分岐があり、その上にはちょっとした建物があったので、ちょっと立ち寄ってみる事に。
案内図を見ると、道を登れば展望台に、遊歩道を降りれば海岸にそれぞれ出る事ができるようです。
ここを通過したことは何度かあっても、親不知の断崖を実際に見た事は無かったので、これは面白そうです。
まずは下へ向かう遊歩道を降りて海岸に出てみる事にしました。
遊歩道は割と整備されていて、ほぼ安全に降りることが出来ます。
が、急斜面に取り付けられた遊歩道なので、傾斜が急で降りるのはまだよいのですが、登る時はうんざりしそうです。。。
すぐ脇を流れる沢に沿ってひたすら下り続ける階段を暫く歩いていくと、ちょっとした踊り場のようになった場所がありました。
じゃあ、ここで一息入れようかと、道を回り込むと、唐突にトンネルが口を開けていました。
レンガ積みのトンネルなのでかなり古いもののようです。
その形状から車道ではなく鉄道トンネルではないかと推測したのですが。。。
反対側の出口の光がこちらからも見えました。
ヘッドライトを持ってきていたら探検してみたいような気もしたのですが、手前にバリケードが置かれていたので進入は止めておきました。
沢を渡った反対側にもまたトンネルが続いているのですが、沢にかかっていた橋がなく容易に渡れないせいか雑草が生い茂り、近付くことも難しい感じです。
後になって調べてみた所によると、これは北陸本線の旧線で親不知トンネルと大崩トンネルというものだということです。
廃線趣味の方たちの間では有名な物件らしく、レポートもいくつか上がっていました。
例の廃道探訪趣味の方は興味を持つかもしれませんね。
ちなみに大崩、というと親不知同様、かつては東海道きっての難所とされた静岡県の大崩海岸が思い浮かびますが、あちらも海上を迂回させて通した道路があったり、親不知付近から始まるフォッサマグナ西縁の太平洋側の地点だったりと何かと共通点の多い場所でも有ります。
この沢を挟む両方のトンネルがその両者の名前を冠しているのは多分偶然ですが、なんとなく縁を感じます。