瀬戸内周遊初日の出【18】(2014/01/02)
今回歩いたルートのGPSログ
「坂の街」を謳うくらいなので、散策がアップダウン地獄になることも覚悟して臨んだが、ここまでは斜面を平行移動するようなルートだったので快調に歩けている。
が、この先で千光寺新道と呼ばれる道に突き当たり、そこから先は山の上にある千光寺に向かう道になるので、いよいよ上り坂だ。
千光寺新道を曲がってほどなく、なんともいえないノスタルジックな長屋とその間にのびる路地を見つけた。
かつてこの路地を舞台に濃密な近所付き合いが営まれていたんだろうな、と妄想を膨らませる。
そこから山側を見上げると、
路地の先に傾斜地活用もここまで来たか、と思わず唸ってしまいそうな高い擁壁が見える。
屋敷のある場所は見上げるような高さだ。
元から崖のようなところだったんだろうな。。。
さっきの要塞のような敷地の背後に建てられていたのは、新道アパートという建物だ。
土地が傾斜しているせいで、建物が斜面に合わせて階段状になっている。
更に登って行くと、
ここにもヒューイ、デューイ、ルーイw
ツタが絡みまくってどこからどう見ても廃墟だが、新聞受けがあったり水道管らしき配管があったりと、物置ではないことは明白だ。が、その割に建物の一つ一つがとても小さい。この大きさだと居室は3畳とか4畳半といった広さしかないと思う。
それに、真ん中の建物は日当たり0である。どんな人が暮らしていたのであろうか。。。
まるで全員集合のコントに出てくる書き割りのようにもみえる。
どういう用途で使われていた建物なのかもうちょっと検証したい(訳:中を覗いてみたい)衝動に駆られたが、人の敷地に無断で侵入するわけにはいかない。そのくらいの常識はある。
後ろ髪を惹かれる思いで道を進み、もうひとしきり登ると、今度は千光寺道(これまで歩いてきたのは千光寺”新”道)という道に突き当たる。
この道は千光寺へと続くメインの参道である。徒歩で千光寺へ参拝する人たちの表参道になっているので、これまで歩いてきた小径と比べて道幅も太く、大勢の参拝客が歩いている。
古寺めぐりコースはこの千光寺道を突っ切ってさらに東へと進むルートだが、寺巡りは何だかおなか一杯になってきたので、予定を変更してそのまま千光寺へ行ってみることに。
参拝客に紛れて10分ちょっと登ると千光寺の境内に到着。
まぁ、予想はしていたけど、やっぱり参拝客が長い列を作っている。
本堂から続く参拝者の列が背後の墓地の方まで続いている。ここに大人しく並んでいたら時間がもったいない。
初詣は沖家室島で済ませているし、ここは見るだけでもいいかな、と参拝者の列を見ながら、2人しばし佇んでいると、ふと、カミさんが上の方を指さし、あの岩の上に人がいるのが見えた。私も登ってみたい。と言い出した。
言われるがままに見上げると、本堂の脇に屹立する岩の上を移動する人影が見えた。が、どうやったらそこに行けるのか見当が付かない。少なくとも、今いる場所からアプローチすることは出来なさそうだったので、岩の周りをまわって入口を探してみよう、ということになった。
ということで、まずは参拝客の列の後方へと進む。
写真の上に見えるロープウェイの鉄塔の下あたりにその岩場がある。まず、目の前の階段を登ってみたが、上に見える白い壁のところにでてしまい、それ以上進めなかった。
もう一か所、写真左側に広がる墓地の奥に通路が見えた。こっちか?
と言っても墓地だしな。墓参でもないのに立ち入ってハズレだったら恥ずかしいので、チャレンジしづらい。。。
もしかしたら寺の裏手にある千光寺公園側からアプローチするのかな、と思い、ひとまずそっち方面へ進んでみる。
なだらかな歩道を登っていくと、鼓岩(つづみいわ)という看板が出ていた。この岩は千光寺第二の大きさを誇る岩ということだが、看板が出るような名所とされる理由はそれだけではない。なんでも岩を叩くと、その叩いた場所によって音が変わるというのだ。
あーあれね。弘法大師の七不思議的な。
その類は大抵伝説レベルだったりするのだが、ここにはご丁寧にハンマーが鎖につながれて置かれている。
そこまで自信があるなら、このわたくしめが叩いてみせましょうぞ、ということで、ハンマーでその辺をポコポコ叩いてみる。すると、確かに場所によって、中身が詰まったようなキンという音がしたり、いかにも軽そうなポン、という音がしたりする。
多分岩の中の構成にムラがあるのだと思うが、嘘偽りなしのちょっと不思議な岩だった。
ちなみに、岩の向こうは崖になっているにもかかわらず柵も何もない。危険が危ない感じでデンジャラスだ。
道路わきに懐かしのNコロ(N360)が。いーなー。いつか人生に余裕が生まれたらこういう旧車を買って整備してみたい。
もう一頻り進むと千光寺公園だ。一画に頂上展望台があったので登ってみる。
今まで歩いてきた場所からは見えなかった、尾道の西側の街並みもここからならよく見渡せる。
向こう岸は向島、更にその後ろに見える山並みは芸予諸島の島々である。
こうしてみるとそれらが海で隔てられているようには見えない。
向島とその奥に大崎上島。夕暮れの瀬戸内海もまた格別。
この分ならもう少し待ってれば、日没を迎えていい感じの夜景が見れそうだ。とはいえ完全に日が暮れるまでにはまだ1時間以上あり、時間を持て余す気がする。
そこで、例の岩山(まだ忘れてないよ)を探した後、一旦麓に降りて19時か20時ごろになったらもう一度上がってこようと思ったのだが、麓との往復をもう一度徒歩で、という気にはなれないので、ロープウェイ乗り場で時刻をチェックしたところ、最終便は17時過ぎということで、これでは意味がない。
これは夜景は諦めなさい、というお告げだろう。
(後で知ったのだが、実は車で山頂まで来ることもできたらしい。。。)
ということで、公園から文学のこみちを抜け、行きとは反対側から再び千光寺の境内へ。
途中にある鏡岩。
その先の護摩堂の脇を抜けたら、本堂の前まで戻って来てしまった。
ここまであの岩にアプローチできそうな入口は見当たらず。。。
彼らはどこからあそこに登ったんだろう?