その温泉は、その名にも冠されている新勝寺というお寺を中心とした「みろくの里」という複合アミューズメントパークの一画にある温泉だ。
ナビの案内に従いひと気のない森の中を抜けていくと、突然視界が明るくなる。そこがみろくの里だ。
みろくの里には遊園地もあり、その遊園地の脇に昭和の湯がある。
明るかったのはライトアップを施していたからだ。
建物入口の前にはダットサン・ブルーバードが展示され、
入口を入るとエントランスの一画にスバル360も置かれていて思わずかぶりつくw
昭和の湯、という名前の通り、建物全体が昭和30年頃の街並みを再現した作りになっている。
昭和30年代と言えば、自分はまだこの世に生を受けていないが、なぜかこの時代の雑然としつつも活気ある雰囲気に居心地の良さを感じる。
入場料は昼間は1000円だが、夜になると700円に割引になるので、割引になる時間を見計らってやってきた。
風呂はラドン温泉の内湯と、アルカリ泉の露天風呂に分かれている。
内湯は更に薬湯とラドン風呂に分かれているのだが、薬湯の方はお湯が少し温い。そのせいで、熱い風呂が苦手な小さい子供たちが薬湯に集ってはしゃぎまくってるので、落ち着いて入っていられない。
田舎に帰ってきた孫を連れてきたのか、その子供たちの保護者は老人が多く、子供たちをあまり注意しないのが都市近郊の温泉地とはちょっと違う。
まぁ、隣が遊園地なので、遊園地でテンション上がりまくってハイブロー状態になっている子供を大人しく入浴させるのは難しいと思うので、しょうがないのかもしれないが。。。
風呂から上がってカミさんにそんな話をしたら、女湯でも同じような光景が繰り広げられていたらしい。
もしかして地域性?
遊園地の方は時間的に行かなかったが、後で調べてみるとそちらの方にも昭和の街並みを再現した一画があり、さらに非公開ではあるものの、撮影にも使われた時代劇のセットなどもあるらしく、機会があれば一度ゆっくり見てみたい気もする。
風呂を済ませたら寝床へ一直線。道の駅「アリストぬまくま」が今回の宿泊地。
道の駅に着いてから、風呂上がりのデザートと称して尾道で入手したスイーツを楽しむ会を開催。
エントリーナンバー1番、途中のスーパーで購入したレモンケーキ。
タカギベーカリーの瀬戸田レモンケーキである。
瀬戸田というのは、かつて生口島に存在した町の名前で、尾道市に編入された今も地域の名前として残っている。
レモン風味のスポンジにホワイトチョコソースがかけられた、オーソドックスなスタイル。
一般的なレモンケーキと比べると平べったく、スポンジがパサパサとしてて、ケーキというよりは菓子パンのような感じだ。
レモンの香りも人工的な感じがして、逆に言えばこれこそが昔から親しまれた味だったのかな、と古に思いを馳せる。
レモンケーキは、昭和30年代~40年代辺りがブームの最盛期だったようで、そのころは全国どこでも買えたらしい。ブームの終焉と共に次第に販路が縮小、今では瀬戸田を中心としたしまなみ海道に沿ったレモン栽培の盛んなエリアの名物的な感じになっているので、東京であまり見かけることはない。
続いて2番、尾道ええもんやで購入した尾道プレミアムレモンケーキ。
本格を謳うもので、値段も一個250円と高価。
おやつとして気軽に食べるというよりは、お土産とかご贈答品的な立ち位置だ。
一般的なレモンケーキに欠かせないホワイトチョコソースが乗っておらず、レモンソースを含ませたスポンジケーキだけで勝負している。
スポンジに染み込んだレモンの風味は濃厚でありながら、その酸味は爽やかさを引き立て、さっぱりと食べられる。
流石に本格を謳うだけのことはある。これは特にカミさんが絶賛。
そして3番目。最後は松栄堂で購入したはっさく大福。
大福の皮の甘みが広がり、その次に来るはずの白餡よりも先に、はっさくの強めの酸味を感じる独特の風味。甘さと強い酸味はハーモニーを奏でようという意思が感じられず、それぞれがオレオレと主張しているような印象だったので、好みが分かれそうだな、と思った。
が、普通においしいのである。カミさんは絶賛イチオシだった。
みんな違ってみんないい、と、丸く収めたところで、寝ます。