瀬戸内周遊初日の出【31】(2014/01/04)

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海岸沿いの堤防に腰かけて小休止。海を眺めながら、さっき朝食で食べそびれたヨーグルトの蓋をあける。

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海の向こうには奇妙な形をした島が見える。島の名前は小与島といい、与島同様、かつては採石が盛んな島だった。
無意識に撮ってしまったので、カーブミラーがカブってしまっているが、写真の左端に白いコンクリートの建物が見えるだろうか。

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左端を拡大してみた。この建物はホテルアクア小与島といい、・・・と言っても営業はしていない。
瀬戸大橋の開業と前後して、世界一の橋の眺望を満喫できるホテルとして建設が進められたが、開業を前に運営企業が破綻してしまい開業することないまま、この30年当地に佇んでいる。
このホテルは未開業のホテルの廃墟として一部の間では有名な物件である。

当時は島全体を買い上げてリゾートエリアとして開発する構想だったという。物理的にアクセスが不利であることは認識していたようで、与島と小与島の間をロープウェーで結ぶ計画まであったという。

島民は全て退去させる予定だったが、先に開発会社の方が力尽きてしまったため、そこで開発はストップ。
結果的に5世帯がそのまま残り、今でも島で細々と石材業を営んでいるそうだ。

機会があれば訪れてみたいが、いかんせん定期航路が無く、外部の人間が渡るには海上タクシーや釣り船を仕立てる必要があり、一庶民の自分にとって上陸することはかなり困難である。

仮に開業にこぎつけたとして、高速道路直下で遥かにアクセスのよい筈の、フィッシャーマンズワーフが廃業してしまったくらいなので、その前途は決して明るいものにはならなかったと思う。

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島の中央部のアップ。採石によって島の北側(写真の左側)はほとんど削り取られ平らになっている。
集落は南部の小高い丘の付近にあるようで、写真にも何軒か民家らしきものが見えている。

集落から採石現場へ視線を移動すると、途中に煙突のような構造物が見えると思う(写真だと左端の辺り)。石材加工場かなんかの煙突と思っていたのだが、帰ってきてから調べた所、これは煙突ではなく採石場の岩盤の残骸なんだそうで。

島では、発破をかけた後、崩れた岩石は崩れ落ちた場所の土地の所有者の物になるという(暗黙の?)ルールがあるそうだ。最初のうちは発破をかけても、その岩石は間違いなく自分の敷地に崩れるので問題ない。

そうして少しずつ削っていくと、やがて敷地の境界線付近に至る。このとき、加減を間違えて岩をお隣さん側に崩してしまうと、お隣さんのものになってしまうので、それは絶対に回避しなくてはならない。

なら、ここだけは崩さなないようにしておこう、という双方の思惑の結果がこうした景色を生み出してた、ということらしい。

 

ヨーグルトも食べ終わり、良い休息になった。ぼちぼち車に戻ろう。海沿いを散策しながら戻ってみよう。

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港に出ると、錆びついたバス停の停留所と同じくらい錆びついた待合所があった。
バスの待合所としては似つかわしくない立派な建物で、屋根の曲線のあしらい方などお金がかかっているようにも見える。

古びているとはいえ不釣合いな待合所だなぁ、と思いながら裏側へ回ってみると、古い船の船室部分をぶった切って設置したものであることが分かり納得。
鉄道車両やバスのお古を待合所にしている物は時々見かけるが、船を活用したものは初めて見た。

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更に港を海沿いにノンビリと歩いていくと、やがて、堤防で陸続きになった小島が見えてくる。
この島は真鍋島といい、島の最高所に真鍋灯台が建っている。

この当時は島の上陸記録を増やそう、という思いが強くなかったので、行っても何もなさそうな真鍋島には踏み入れていない。惜しいことをした。

ここから振り返ると、さっき通ってきた与島東船舶通航信号所が見える。
屋根の上の看板のような板は、電光掲示板になっていて、何かを意味すると思われる記号のほか、文字が一文字ずつ順番に表示されていたが、これもちゃんとチェックしなかったので、なんと表示されていたかまでは不明である。

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海沿いの道を行けるところまで行って、そこから集落内へと入っていく路地を曲がり、集会所のある路地を左折すると、瀬戸大橋の下をくぐってパーキングエリアのへ向かう遊歩道に繋がる。

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この道は集落の路地と違い、生活感がない。道路公団の管理用通路のようにも見える。
数分ばかり坂を登って行くと、やがてパーキングエリア内にある公園の外周に寄り添うようになる。

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パーキングエリアの中はよく整備され、柵一つ隔てたこちら側とは別世界のようだ。
此岸と彼岸をつなぐ柵の切れ目が数箇所あって、そこから敷地内に入ることができる。
今いる場所が彼岸なのか此岸なのかはさておき。。。

公園を散策する人たちが、柵の外側の道を通るウチらを見て、珍獣でも見るかのような視線を向けてくる。。。
パーキング側から見ると、気軽にこの仕切りの外側に出ることを躊躇わされるような雰囲気だった。

今回の散策ルートのGPSログ

ということで、無事帰還。
なんか、秘境から生還したかのような不思議な気分になったw

時間は11時半。4時間ちょっとのちょっと非日常的を味わう、不思議なお散歩だった。

見残しも沢山あった。なかなか来られる所ではないが、もし再訪が叶うなら、次回はもう少しじっくりあちこち見てみたい。

瀬戸大橋の足元を支える塩飽の3つの有人島を早足に駆け巡ったが、近くて同じような島に見えて、3島がそれぞれが違う表情を持っており、興味深く散策させてもらった。

橋が架かっても大きな変化のなかった櫃石・岩黒の両島と、景気の波に翻弄された与島とのコントラストの違いは、島を少し散策するだけでも十分すぎるほど感じ取ることができた。

もしETC割引や高速1000円の実施がもう少し早ければ、とか、更に言えば最初から料金設定をもっとよく検討していれば、与島の今はもっと違うものになっていたような気がする。

さて、正月の長旅もいよいよ佳境。
最後の目的地、1991年に廃止になった片上鉄道の保存車両を訪ねてみよう。

 

Posted by gen_charly