富士山リベンジ【4】(2013/08/23)

 

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3000mの標識を過ぎると、それまで遠くに見えていた山小屋がだいぶ大きく近くに見えるようになってくる。よし、あそこまで行ったら休憩だ、と根気を振り絞って登って行ったら閉鎖されていた。。。

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この山小屋は七合目日の出館という。
カミさんが少し前からトイレに行きたいと訴えているが、トイレも当然閉鎖されている。

だが、絶望する必要はない。この先、山小屋が立て続けにあるので、次の山小屋もすぐだ。
やっていない山小屋で長居してもしょうがないので、息を整えたらすぐ出発。

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次の山小屋は七合四勺に位置するわらじ館。日の出館から10分程度で着いてしまう。

で、ここから次の山小屋がすぐ上に見えている。

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あっという間に、七号五勺の砂走館に到着。

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ここはわらじ館よりも敷地が広く、見晴らしの良いベンチも設けられているので、ここで大休止と昼食にすることにした。

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持参したおにぎりが今日の昼食。
山小屋のスタッフが金剛杖の焼印用の焚き火台に網を置いて、自分の昼食用にするのか肉を焼いている。
辺りに漂う肉の香り。それをおかずにおにぎりを胃に落として、しばし休憩。

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ここは既に雲の上である。麓は曇りがちで、時折強い風が吹き抜けてゆく。
上の方からエンジン音のようなものが聞こえる。聞き耳を立てていると、例のブル道をブルドーザーが下りてくるのが見えた。

なんと、バックで降りている。ブルドーザーの方向転換をする場所がないのだろうか。
よくこんな斜面をバックで下れるものだ。

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いざという時は人間もブルドーザーで運んで貰うことができるそうだ。ただし、あくまで荷物扱いなので体の重さで料金が変わる。

20分ほど景色とブルドーザーを楽しんで腹も幾分落ち着いたので、大休止終了。リュックを背負い再び登り始める。
3000mを超えると全標高の4分の3弱を上り詰めたことになり、なんとなく頂上まであともう少し、という気分になるが、まだあと七百数十メートル残っている。
言わば平地から高尾山や筑波山の山頂までを登るのと同じくらいの道のりがまだ残っているということだ(平地からは登らないが。。。)。しかも空気が薄い。それらの山に登るとき以上に体力と根気が必要になる。

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気温も徐々に下がって体は冷えてくるし、標高が高いので息も上がりやすくなるしで、進みは随分とノロくなった。カミさんは普段通りということで、軽快に先に進んでいく。あまり先に行くとはぐれるので、少し先で待っていてくれるが、追いつくまで待ってくれない。あと少しのところで、先に進み始めてしまう。

実はカミさんはハンミョウなんじゃないかと思ったw

徐々に悪くなり始めたコンディションに高山病の3文字が脳裏をよぎる。
今回はカミさんと二人きりの登山なので、多少ダラダラ登ってもそこは合わせてくれるだろう(ハンミョウにはなるけど)、ということで、3000mを超えたあたりから、意識してゆっくり、呼吸を乱さない事を意識して登るようにしている。
そのせいか今のところは体調的な変化はないが、これが吉と出るか、凶と出るか。。。

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ゆっくりと、着実に歩を進めて一時間ほどで七合九勺の赤岩八合館に到着。ゆっくりと進んでいたつもりだったが、ガイドを見るとこの区間の標準時間は70分と書かれていて、意外にも10分早着。

そう考えると、前回の登山はだいぶハイペースだったのかもしれない。
考えてみたら、前回はWさん夫婦という屈強なソルジャー達と一緒の登山だったので、遅れて足を引っ張るまいと必死だった。少なくとも今回よりはかなりハイペースで登っていた。

寝不足ももちろん大きな原因だったのだろうが、自分に丁度良いペースが維持できなかったことも大きな原因であるような気がする。
そのことを確認する意味でも、コンディションを崩さないよう、出来るだけマイペースで進んで見たい。

 

ちなみに、御殿場口の登山道の山小屋はここが最後。八合目に見晴館という山小屋があるが休館中とのこと。なのでここから先、山頂までは一気に進むしかない。
というか、山小屋は全区間で5軒しかないうえに2軒は休館中、おまけに4軒は七合目に集中している。なんでそんな建て方をしたのだろう。利用者からしたら不便極まりない配置である。こんな所も御殿場口が登山口として敬遠される理由なのかもしれない。

 

それはさておき、少し前から天気が曇り始めている。それに合わせて時折強い風と雨が落ちてくるようになった。出発時に麓から見えた笠雲の中に入り始めたようだ。

この先荒れるかもしれないと考えて、ここでレインコートを着ておくことに。ついでに手袋も布製のものから濡れにくい革製のものにチェンジ。気温が下がってきているので、じっとしていると体が冷えてしまう。速やかに着替えを済ませた。

ここから頂上までは標準時間で90分だそうだ。
時計を見ると14時を過ぎたところだ。頂上の山小屋のチェックインは16時なので、着実に進んでいけばまぁ間に合うだろう。
途中で動けなくなったりしても休める所がないので少し緊張する。

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登り始めてほどなく、路傍に地面に直置きされた朽ちかけた看板があった。ここから先が浅間神社奥宮の境内であることを告げている。

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だいぶ天気が荒れてきた。時折ザッと叩きつけるような雨が落ちてきたり、ストックで体を支えないとふらついてしまいそうなほどの突風が吹きつけたりしてくる。
このまま頂上を目指すべきか悩む。だが、今日の宿は頂上にある。ここからなら下山するより早く山小屋に到着できるだろう。それなら戻るよりは登りきった方が安全だと判断し、続行する。

こんなコンディションだが、カミさんはいつもの登山よりも楽だと言っている。
過去には暴風雨の中登山を強行したこともあるそうだ(というか、ツアーが中止にならなかったらしい)。それでも登れたんだから、というのものあるようだ。まぁ、普段と違うコースを登っていることや、落ち着いたペースで進んでいること、朝からの登山なので体力的に充実していることなど複合的な要因が功を奏しているのだろう。

重心を幾分下げて一層慎重に進む。しばらく進むと、見晴館が見えてきた。ようやく八合目だ。

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いや、これは休館中ってレベルじゃねぇべ。。。w

ここを通り過ぎたら傾斜が更に急になってきた。道も狭まり、細かく九十九折を繰り返しながら高度を稼ぐようになる。辺りは一面乳白色の世界で、10m先くらいまでしか視界が利かない。

そんななか、落石注意の看板が頻繁に現れる。直撃したらただでは済まないような岩がゴロゴロと転がり、まるで登山者に狙いを定めて引き金を引くタイミングを待つゲリラ兵のようだ。注意と言われても、この周りが良く見えない状態でいざ石が落ちてきたら、どうやって身を守ればよいのだろうか。

視界が利かないので、頂上まであとどのくらいなのかもよく分からない。一瞬雲が薄くなって先の様子がわずかに見えると、あの辺が頂上だろうかと期待する。直後に再び雲に覆われ、目の前に見える道だけを見て進む。次に雲が途切れた時、さっき見えていた場所が全然近くなっていないことを知ってがっかりする。
ようやく、その場所にたどり着いたら、更に上の方に道が続いているのが見える。。。この辺はひたすらそれの繰り返しだった。

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雨が強くなってきたので、カメラをしまう。上の写真を最後に頂上まで写真がない。

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お、あれは。。。

ようやく頂上だ。鳥居をくぐって頂上到達の喜びをかみしめる。
今回もやりましたよ!

時間を見ると15時20分、やっぱり10分の早着。風雨のせいで、無意識にペースが上がったのかもしれない。
目論見通り、高山病的な不調に襲われることなく、山頂まで辿り着くことが出来た。やはり8合目辺りから体のコンディションをフラットに保つことを心がけたことが奏功したのだろう。これで自分の高山病対策はバッチリだ!

本日の登山ルートのGPSログ

御殿場口の山頂には銀明館という山小屋があり、再建中の富士山頂郵便局が間借りしている。
余り天気が良くないので、カミさんと登頂完了を喜び合ったのはほんのひと時だった。今はどちらかというと早く安全な山小屋に入って落ち着きたい。落ち着いてから夕食を囲んでじっくり分かち合おうではないか。

なので、ここでもロクに写真を撮っていない。
今日の宿となる山小屋は頂上富士館といい、富士宮口の山頂にある。そこまで歩いて行かなければならないが、富士宮口の頂上と御殿場口の頂上は目と鼻の先、岩場のすぐ裏といった感じなので、すぐに到着。

が、頂上富士館の扉は閉ざされて、中に入れないようだ。チェックイン時間までまだ小一時間ある。それまでこの悪天候の中外で待たされるのか。。。とりあえず軒下に入って雨をしのぐ。するとすぐに中から登山者らしき人が出てきて、「宿泊する人は中で待ってていいらしいですよ」と教えてくれた。

おお、それは朗報!
中で待てることにホッとして引き戸を開けると休憩所になっている。すでに30人くらいの人が入ってめいめい荷下ろしをしたりレインコートを脱いだりしてチェックインの時間を待っている。

空いている席に腰かけてレインコートを脱ぎ、リュックを置いた次の瞬間、急に頭がガンガンとし始め、重たい頭を下げた途端、一気に気分が悪くなった。。。

ここまで全然平気だったのに、何でここへきていきなり。。。

 

Posted by gen_charly